Shining stars bless★(解答編)
<<一覧に戻る | 作者コメント | 感想・批評 | ページ最下部
第七章

 カラオケ店から出たあと、俺達は夜の公園に来ていた。雨はすっかり止んでいる。まだ曇り空だが、もう降ることはなさそうだ。
 俺は公園のベンチに深く腰を落ち着けていた。少し前かがみになって、両手を組んでいる。
 結城は今、地面に何かを描いているところだ。雨のおかげで土がほどよく濡れているから、走りながらでもちゃんと書けていた。どこかから拾ってきた杖ぐらいの長さと太さがある木の棒を使って、落書き小僧のように楽しく線を引っ張っている。それもひまわりのような明るい笑顔で、だ。
 どうやらその絵は部屋の俯瞰図のようである。長方形の部屋の真ん中に横向きの壁があった。俺の位置から見て手前の部屋には人が二人いる。そして真ん中の壁には、手前の部屋と奥の部屋を行き来するための扉が設けてある。
 結城は絵を描き終えると、こちらに振り向いた。
「ごめんね、こんな寒い夜に付き合わせちゃって」
「気にすんな。そんなのどうでもよくなるくらい、俺はワクワクしてるんだから」
「そうなの?」
「だって結城の話を前みたいに聞けるんだぜ? 嬉しいに決まってる。それに「結城なりの『約束』とは何か」がどんなものなのかが知りたくて、さっきから知的好奇心がそそられまくりだよ」
「ふふっ、良かった。それを聞いて安心したわ」
 俺達は互いに微笑みあう。
「では、そろそろ講義を開始しますね」
「ご教授、よろしくお願いします」
 結城は木の棒を、まるで魔法のステッキみたいに高々と振り上げた。
「それじゃあ、いっくよ〜!」
 哲学者による魔法の呪文が、再び奏でられ始めた。
「ここにリンゴとバナナとブドウとオレンジがあるとします!」
 そう言って奥の部屋をステッキで指す。
「だけど手前の部屋には、この四つの果物の模造品しかないのね。そしてこの部屋にはおじいさんとおばあさんがいるの。おじいさんは日本語しか知らないし、おばあさんは英語しかわからないのよ。
 そして二人には、ある課題をやってもらうとするね」
「どんな課題だ?」
「奥の部屋にある本物のバナナを、手前の部屋に持ってこなくちゃいけないの。
 でも課題の内容を知っているのはおじいさんだけで、おばあさんは課題があることは教えてもらってるけれど内容までは知らされていないわ。しかも奥の部屋に通じる扉を往復できるのはおばあさんしかいないの。おじいさんは通っちゃダメ。
 さて深山君。いい? 深山君がおじいさんだとして、この課題をどうやってクリアする?」
「う〜ん、無理なんじゃねえかな? だって言葉が通じないんだから、打つ手なしだろ」
「そんなことないよ。ここで三つの壁を乗り越えさえすれば、二人は課題をクリアすることが可能になるんだから」
「三つの壁?」
「ここじゃ日本人らしく、いろは歌でも使おうかな? 例えばね、おじいさんが模造品のリンゴを指差しながら「い〜」と言うのよ。それも何回かおばあさんに繰り返して見せるのね。それから模造品のバナナにも「ろ〜」と声を出しながら、その姿をおばあさんにまた見せるの。そうすれば、おばあさんは大体見当が付いて「リンゴ=い〜」「バナナ=ろ〜」と二人の間に共通言語が生まれるわ。あとはブドウもオレンジも、同じ調子で「ブドウ=は〜」「オレンジ=に〜」で名付ければいいの。これで第一の壁がクリアね」
「そっか! 仮におばあさんが間違えて「い〜」を「リンゴの色」と勘違いしても、あとで修正を加えればいいしな」
「そうそう。第二の壁も同じように命名作業を繰り返せばいいの。
 おじいさんが「ほ〜」と言いながら自分を指差して、今度はおばあさんにも指差しで「へ〜」と名付ければいいわ。もしもおばあさんが服を指す言葉だって誤解したとしても、そうね、両手を平にして、ささっとおばあさんの体の輪郭をなぞりながら「へ〜」と言えば微調整できる。
 部屋の区別も、指差しで何とかなるわ。おじいさんは部屋の前に立って、まず自分がいる手前の部屋の地面を指差して「と〜」を言うの。次に奥の部屋を指差して「ち〜」と何度もやってみて、最後にまた手前の部屋を「と〜」って締めくくる。これで「手前の部屋=と〜」「奥の部屋=ち〜」という共通言語がまた誕生するの。
 「掴む」と「離す」、「行く」と「戻る」といった動作も全く同じ感じで進めればいいのよ。
 おじいさんがリンゴをグワッと鷲づかみしようとしながら「り〜」って言うの。そして今度はバナナを掴みながら「り〜」と繰り返す。これで「リンゴとバナナの違い」アンド「同じ動作」から、おばあさんは「掴む=り〜」と推測できるわ。「離す」という行為も、この逆をすれば「離す=ぬ〜」と名付けられる。
 「行く」という動作も、おばあさんのそばから「る〜」と声を伸ばしながら離れていくの。それからおばあさんの元に戻って、また「る〜」と離れていけばいいわ。それで「行く=る〜」の完成。「戻る=を〜」も同じように作ればオーケーよ。
 今はいろは歌で例えを作ったけれど、別に発声はどんなふうでも構わないわ。はっきりと十二個の発音を区別できれば、それで大丈夫なんだもん。
 これで第二の壁が終了ね。……ん? どうしたの深山君? 何か言いたそうなんだけど?」
 話が脱線してしまうが、どうしてもツッコんでおきたいことがある。
「なあ。これって、かなりの記憶力が要求されねーか?」
「……そ、そうだね。ちょっとお年寄りの方にはハードルが高いかも」
 なはは、と結城が誤魔化し笑いをする。
 俺は少しの間だけ目を閉じて、今の話を整理した。

「果物」
・リンゴ=い〜   ・バナナ=ろ〜
・ブドウ=は〜   ・オレンジ=に〜
「人物」
・おじいさん=ほ〜   ・おばあさん=へ〜
「部屋」
・手前の部屋=と〜   ・奥の部屋=ち〜
「動作」
・掴む=り〜   ・離す=ぬ〜
・行く=る〜   ・戻る=を〜

「……よし、続けてくれ」
「最後の壁は、おばあさんに本物のバナナを取って来るように要求すること。これにより課題はクリアされるわ」
「でもどうやったら、そんな複雑な要求が可能になるんだ? 今の十二個の単語じゃあ、どれもバラバラで文としての機能を果たせねえだろ?」
「ふっふ〜ん。そんなのはね、イントネーションだけで十分よ」
「……声の、抑揚か?」
「うんうん。おじいさんはね、まず高い音の感じで「へ〜ち〜る〜」ってしゃべるの。意味は「おばあさん、奥の部屋、行く」となるわ。そのまま息を切らさずに低い音を出しながら「ろ〜り〜」と声を出せば「バナナ、掴む」って意味になるでしょ」
「?」
「何? どこかわからなかった?」
「あ、いや。何かいま、萌え文化を突然思い出しちまって」
「はい?」
「それも結城関連だと思う」
「?? 何だかよくわかんないけど、変な寄り道しないで続けるわね?」
「ああ、すまん」
 何だったんだ? 今の?
「えっと、もう一度くり返すね。おじいさんが高音で「へ〜ち〜る〜」と言って、息継ぎしないまま低音で「ろ〜り〜」と続けるのよ。そして今度はまた高い音で「へ〜と〜を〜」って述べるの。これは「おばあさん、手前の部屋、戻る」という意味になるわ。
 最後に「へ〜と〜を〜」から、再び低い音で「ろ〜ぬ〜」という「バナナ、離す」という意味の共通言語文を話せば、おばあさんは課題内容をよく知らないままであろうとも、おじいさんの求める作業をしてくれて、無事に課題を達成できる。
 どう? これなら言語が違っていても、しっかりとバナナをゲットできるよね?」
「ああ、確かにいけそうだ。一つのイントネーションによって文節が一塊に構成され、高音と低音の違いにより混乱を免れている。それに高音と低音の繰り返しで長文の中に流れが生まれ、ストーリーも形成されているしな。
 更に言えば「へ〜ち〜る〜〜〜、ろ〜り〜〜〜、へ〜と〜を〜〜〜、ろ〜ぬ〜〜〜」とリズミカルに発音すれば、一つの文と一つの文の間がちゃんと区別され、より一層混同を避けられるようになるぞ」
「わっ、成程! というよりイントネーション以外でもリズムで長文の構築も可能じゃない? 深山君ってホント賢いね」
 そうか? 結城と比べたら、それほどじゃねえっての。
「さて、いよいよ本題よ」
 結城はわざと眉間にしわを寄せて難しい顔をする。
「おじいさんは課題を遂行するため、おばあさんと粘り強く共同作業を行わなければいけない。それこそ様々なやり方を試し、機転を利かせ、バラエティ溢れる動作を敢行したことでしょう。
 しかし、この三つの壁を乗り越えたどの行為にも、ある共通点があるの」
「共通点?」
「そう。そして……」
 結城が俺の眼前に魔法のステッキを突きつけ、ニヤリと挑戦的な笑みを浮かべた。
「その共通点こそが『約束』という難問を解き明かすために必要だった星屑の欠片なの。この最後のピースが知の輝きによって照らし出される時、探求者の手から遁走しようと築き上げられた絶壁のピラミッドは、バベルの塔のように脆くも崩れ去っていくわ」
「……何なんだ、それは?」
 俺は緊張のため、唾をゴクリと飲み込んだ。結城はこちらに背中を向け、俺からゆっくりと離れていく。
 そしてクルリと振り向いた時、結城はある決定的な原理を提出した。

「人には、伝えるという心の機能があるの!」

「……つた、える?」
「そう。おじいさんは新しい言葉を「伝え」ようと思い、色んな動きで「発信」して、おばあさんにメッセージを「贈る」のよ。
 人間は数多くの伝達手段を持っているわ。一般的な言語だけじゃない。挨拶、返事、相槌、姿勢、目配せ、しぐさ、ジェスチャー、スキンシップ、手話、モールス信号、ダイイングメッセージ、暗号文。それこそ格闘技も肉体言語として含まれてもいいんじゃないかしら? でも、どれも伝える気持ちが存在しなかったら、全部ガラクタとなるのよ。
 わたしは動物学ってよく知らないけれど、例えばイヌっておしっこでマーキングするでしょ? あれは縄張りを主張したり、他のイヌにコミュニケーションをしているんだって。でもお魚さんだと、とてもじゃないけど何かを伝えようとする心理機能を持ってなさそうに見えるわ。ヘビさんは、どうなのかな? カエルさんを威嚇したりするけど、あれは何なのかしらね? 昆虫も、擬態する虫がいたりするけど? う〜ん? 機械的な行動にすぎないのか、メッセージを送ってると言えるのか、わたしにはわかんない。ただ、高等動物になるに従って、伝達能力が備わってあるのは確かだと思うわ。
 この伝達能力については、構造主義的な観点からも傍証があるの。文化人類学者のマイセル・モースの「贈与論」に、クラ交換という風習が述べられていてね。ニューギニア島の沖合いでは、島から島へ「クラ」という宝物の交換が行われているの。でもその宝物を届けるのが本当に危険で死ぬかもしれないのよ。なのに宝物といったら、ちょっと珍しい貝殻にすぎないんだから。はたから見たら、何をやってるか意味不明じゃない? でもね、そうやってえっちらおっちらと届けることで、相手の部族との間に「友愛」や「悪意の無さ」が確認されていくのよ。つまり、こちらの心情を貝殻により伝達しているってわけ。
 言語も貝殻と一緒よ。というか言語なんてサインの発展形にすぎないわ。まず伝えようとする気持ちが先にありきなの」
 逆転の発想だ。結城は言語があるから伝えられるんじゃなくて、伝えたい思いがあるから言語が生まれるというふうにひっくり返したんだ。
「これに気付けたのも深山君の歌があったからよ。本当に感謝で一杯だわ」
「それがよくわかんねーんだけど。俺はただ歌ってただけだぜ? この話と歌がどう結びついているんだ?」
 そう尋ねると、結城はスマイリーフェイスで俺の顔をジロジロと見つめてきた。
「深山君? あの歌の歌詞の意味、実は知ってるんじゃないの?」
「ええ?!」
 ど、どうしてバレてるんだ?
「まさか結城って、英語も堪能なのか?」
「ううん。わたしは母国語の日本語しか出来ないよ。だから外国の本とか読んだこともない。嘘じゃないよ」
「じゃあ何で?」
「だって深山君。あんなにも必死になって歌うんだもの。わたしに向かって熱く激しくシャウトしてる姿を見ているだけでも『ああ、深山君はわたしに何か伝えようとしているんだわ』ってくらい、わかっちゃうわ。寂しいメロディだったけど、きっとわたしのために応援ソングを歌ってくれたんだね。嬉しい!
 でね、それが大きなヒントになったわけ。例え知らない言葉の歌でも、相手がメッセージを送っていることぐらいはわかる。このことに気付いた時、わたしの中に閃きが起こって『伝達』という原理に到達できたのよ」
 そうだったのか。俺は結城の役に立てたんだな。良かった……
「では、いよいよ大詰めに入るわね……」
 結城が沈黙する。小さな深呼吸を繰り返して息を整えていた。俺も緊張してくる。
 電灯が一瞬だけ、パチパチと点滅した。まるでアリバイ工作のように造られた公園で俺達は押し黙り、わずかばかりの静寂が訪れる。
 そして結城が終焉を迎えるための言葉を唱え始めた。
「……それじゃあ『約束』とは一体何なのか、大まかなストーリーで説明するよ。
 例えばわたしが、深山君に朝八時に待ち合わせして一緒に登校する約束を交わそうとしていたとするじゃない?」
「そんな夢のようなお願いじゃあ断れねえよ」
「も、もう。変なこと言って茶化さないで! ……いい? よく聞いてね。
 まずわたしが深山君に「八時」と伝えたいとするね。その場合「はちじ」という聴覚的感覚データと、「ハチジ」としゃべるための発声的運動データと、八時という意味内容が『概念』によって、この三つが結びついていないといけない。
 次にわたしが「八時」を『伝達』しようと思うでしょ。だから実際に口を動かして「はちじ」と言うの。それが深山君の耳に入るわ。
 そして深山君が入力されてきた情報に対し『前反省知』や『自動思考』によってではなく、しっかりと己を持った『反省知』でキャッチしなくちゃいけない。脊髄反射的だったり、脳の勝手な働きによる応答じゃあ『約束』なんて出来っこないからね。
 それから『ミラーニューロン』つまり『共感』によって、的確に社会的情報を理解するの。『伝達』という機能を深山君自身が持っている。だからものまね細胞による反応と自分の『伝達』を比較して「ははあ、結城はどうやら俺と同じように『伝達能力』を所持しているな」と気付けるの。ゆえに「俺が他者に対してメッセージを送るように、結城も俺に向けて何かしらのメッセージを送ってきているぞ」と感じられるのね。
 そのあと『推理』によって、例え完璧じゃなくてもある程度の未来を予測し、利益結果を想定できるわ。そうよね、名探偵さん?
 続けていくよ。「これから毎朝八時に待ち合わせ」という情報に対し『欲望』とか『良心』によって判断をくだすわ。自分の『欲望』が満たされる場合には肯定するし、逆に満たされない場合だと否定するの。でも深山君はとっても優しいから、わたしの無理な要求でも『良心』に従って頷いてくれるかもしれないね。……わ、わたし何を言ってるんだろ?!
 か、仮に肯定したとするね? え、えと、そしたら深山君は肯定した旨を伝えようと発声し、わたしの耳に届いて、最終的に返事をもらうわ。この応答により、二人の頭の中に「これから毎朝八時に待ち合わせ」という命令体系が記憶されるの。
 ほら、初めてお昼ご飯を食べた日に、わたしは「契約することと、契約書」を区別してたでしょ。わたし達が約束しあうことによって、契約書みたいな命令体系が生まれるの。あとはこの命令体系に『協力』するだけね。
 当然ながら人というのは、鳥さんみたく契約書にただ従うだけじゃないわ。もしも命令体系に不備があったとしたら『メタ認知』によって自分達の行いに間違いがあることを気付けるでしょ。そのつど修正を施したり、いっそのこと全て解体したりすることができるのが人間なの。
 あと『メタ認知』は自らの過ちに気付くためだけにあるわけじゃない。自分に約束をする場合でも活躍するわ。
 例えば「よーし、今日中に仕事を全部終わらせたら自分へのご褒美にショートケーキを買っちゃおう!」ってOLさんがいたとするね。『メタ認知』というのは自分自身を対象化できる機能なのは教室で説明したでしょ? このケースだと、大局的な立場から約束しようとする自分と、局地的な立場に属していて約束をされる自分に分かれるわ。でも『伝達』するのも判断をくだすのも、結局は自分一人の中ですることになるわけだから超スピーディに命令体系が形成されるのよ。
 最後に諸哲学の観点を含めながら日常言語にも軽く触れておくわ。ロジカルな深山君にはすぐわかると思う。例えば、そうね。三段論法とかあるでしょ? あれに色々な要素を代入すれば沢山の文が作れるじゃない。それと同じで、英語の文法に単語を入れてやれば文章がいくらでも出来上がるわ。「主語、動詞、目的語」の中に「深山君は、食べる、せんべいを」とか「わたしは、食べる、クッキーを」という具合にね。つまり、ある約束事に従うことで長くてまとまった表現を生み出せるのよ。
 でも、わたしはやっぱり『伝達』が重要じゃないかなって思ってる。だって言語なんてのは、それこそ三段論法のようにロジックだけの無意味な文を、コンピュータみたいな処理で作ろうとすれば作れるもん。わたしは分析哲学的な観点を完全否定するつもりはないけれど、これと比べたらやっぱり東洋哲学の「チャラカ・サンヒター」第三篇にある討論の心得のほうがずっと素晴らしいと私は思うわ。
 この医学書に書かれてある討論の仕方は現代にもじゅうぶん参考になる。「なぜ医者は同学の士と討論すべきか?」「友好的な討論の有効性について」「敵対的な討論の注意点とは?」「聴衆を味方につけよ」「どんな論争でも道理は守るべし」……これらの教えを知るだけでも、互いに有益な対話を交わせるようになるし、ゲーム的な勝敗の愉悦と苦渋を得られるようにもなるわ。でも、討論だって『伝えようとする心』があるから成立するのよ。言葉を送るから、思いを届けられる。
 勿論、わたしだって言語で言いたいことを完璧に伝えられるだなんて思っていないわ。その点では、フランス現代思想をある程度は認めている。話し手と聞き手との間には「話し言葉」や「書き言葉」が介在していて直接的に伝わるわけじゃないの。音声が相手に届くまでに時間的な遅れが発生するし、読み手だって本を自分なりに解釈するもんね。
 けど、何でもかんでも受け手が好き勝手に解釈できるわけじゃないの。話し手自身の言いたいことは伝わらないかもしれないけど、今度は本や音楽CDが受け手へとメッセージを伝えにやってくるものなのよ。そして良い説明や良い作品というのは、それ自体が持つ強度によって評価されるものだわ。それすらも脱構築で解体するなんて不可能よ。
 あとね、脳科学で賛美を受けてるミラーニューロンだけど、確かに相手の「状態」を把握することは可能になるけど、そこでおしまいになってしまう。これだけだと数多くの散在している点を結び合わせることなんか出来ないわよ。点と点を、線で繋げるのが『伝達』の機能なの。
 『約束』というのは人と人との間に生まれるものよ。それを忘れちゃいけないわ」
 結城は締めの一言を述べる。
「つまり『約束』とは「伝達能力を持つ複数の生物が応答しあう中で、適宜に命令体系を構築し、それに協力して従う営み」のことなの」
 哲学的な諸考察の時間が終わる。
「……どう、深山君?」
 結城は手を後ろに組んで問いかけてきた。そしてそのままの姿勢で静止する。俺も動くことはなかった。公園に流れる時間が止まる。草も、梢も、風も、全てが静止していた。
 静止した世界の中で、俺の目蓋だけがゆっくり閉じていく。
 結城に喜んでほしいがために意味もわからずただ褒めるのは、逆に結城を裏切ることになる。そんな真似はしたくなかった。だから結城の哲学体系に問題があったとしても、俺はそれを探し出し、指摘してやらねばならない。それが結城の望みなのだから。
 目を閉じた俺は、真剣に考えを巡らせた。

 わたしは不安で押し潰されそうだった。
 今回の約束論はいままでで最高の出来である。でも逆にいえば、もうこれ以上は無理だった。わたしは持てる頭脳の全てを出し切ったのだから。
 それでも深山君なら、思いもよらぬ所から穴を発見し、矛盾を突き止めるかもしれない。
 そうなったらもう、わたしは這い上がれないだろう。奈落の底に突き落とされ、闇に生き、何も成し遂げられないまま人生を終えることになる。そんな危機感がわたしを包みこむ。胸が締めつけられそうだ。
 深山君がそっと目を開ける。裁判官の審判を受ける容疑者のような気持ちで、わたしは判決を言い渡された。
「いいと思うよ」
 深山君は肯定してくれた。
「……ホン、ト?」
「ああ、よく出来てるよ。
 まず哲学ルールの「キーワード提出」から言うぜ。結城の理論なら、建築も、法律も、友達と待ち合わせして遊園地に行く日常も、しっかりと答えられる。それに「前提条件の提出」もクリアしてると俺は思うね。例えばだな。なぜ「伝達」があるのかって質問されても、それ以上は答えられねえ。どんなに頑張ってさかのぼろうとしても徒労に暮れるしかないな。結城の場合、哲学ルールの両方を同時にクリアしているよ。本当に凄いな」
「……」
「それから動物の話でまごついてたけどさ。俺はこんな話を聞いたことがあるんだ。イルカの世界にも、人間ほどじゃないにしろ言語が存在する。そして日本近海のイルカと、アメリカ沿岸に住むイルカが太平洋の真ん中で出会ったとしても言葉が通じないそうだ。これって日本語と英語の違いみたいだろ? そしたらさ、なんと二つの言語を理解する通訳イルカなんてのが確認されたんだよ。まるで新渡戸稲造みたいなイルカだな。つまり高等生物になるほど、やっぱ複雑な言語を作ってるわけだ」
「……」
「そうそう、フィレータスってジジィも、よく考えたら「恋に効く薬」なんてとんでもねえものを贈っているんだよな。俺の悪友三人もそうだ。八神の奴、お前のことを心配しまくってたんだぜ? エロトーク一切なしで結城のことを任さちまったよ」
「……八神、ちゃん?」
「それに草薙からいいアドバイスをもらったし、神楽なんか自分が神様っぽいのに俺達を思って祈りを捧げてくれたよ」
「……」
「結城。お前の約束論はよく出来てるぜ。俺が保証するよ」
 木の棒がポトッと落ちる。
 そしてわたしは泣き出してしまった。
「……良かった。本当に良かった」
「お、おい?」
「深山君って…ぐすっ、頭いいから、もしかしたら矛盾を発見するかもしれないって、うっ、思ってた。なのに、わたしの考えを、ううっ、補強までしてくれて。
 でもやっと、これで決着がついたわ。ぐすっ。わたしはきっとこれから、前を向いて歩けると思う。うっ」
「……俺も決着がついたよ」
「え?」
「あー、結城の『伝達』って原理を聞いてな。ようやく「アクション映画ってのは何なのか」がわかったんだよ。
 アクション映画ってのは『闘い』を伝えようとしようとしている作品なんだ。バトルする人間のかっこよさを表現したいのなら徹底的に美しく演出し、アクロバットな格闘や頭脳戦を含んだバトルならば意外性をもって観客から驚きと賞賛を引き出し、死地に赴く主人公なら勇ましさや生き様を見せつけてやる。それがアクション映画ってもんだ。別にサーカスをバカにするつもりじゃねえけど、派手な曲芸をわざわざフィクションで見たって仕方ないじゃないか。
 きっと映画の世界に描かれた人生を追体験しているうちに、その作品自体が持つテーマを闘いのシーンから受け取って、次第にそのメッセージを放つ者の姿に憧れるんだ。
 この答えに辿り着けたのも、みんな結城の原理があったからなんだよ。ありがとな。これで何とか、俺の中で一区切りがつけそうだ」
 ううん、そんなことない! そんなことないよ! 本当に感謝したいのはこっちだよ!
 哲学には深みだけじゃなく、広がりも必要になってくる! だけどわたし一人じゃ、どっちも叶わなかった! もしも深山君がいなかったら、わたしはずっと狭く苦しい迷宮の中で迷い猫になってた! 出口のある奥まで進めずにミイラと化していたよ!
 でも深山君がいてくれたから、こんなわたしにも八神ちゃんというかけがえのない友人ができた! きっと他の二人とも仲良く慣れると思う! そして深山君が贈ってくれた歌! 意味はわからないけれど、あの歌を熱唱してくれたからこそわたしは『伝達』の原理を獲得できた! 約束論を構築できた! わたしが哲学の深みと広がりを得られたのも全部、深山君がいてくれたからよ!
 その名の通り、この人がわたしを深く険しい山の頂上まで導き、そして広く蒼い空へと羽ばたく翼をくれた!
 ありがとう深山君! 本当にありがとう!!
「ひっく、ひっく、いぐっ、ううっ、うああああん!」
「お、おい! 結城、そんなに泣くなって!」
「うわああああああああああん!」
「結城……」
 わたしは子どものように泣いた。
 先生に怒られてゲンコツをもらった生徒のように喚く
 むせび、ぐずつき、しゃくりあげながら、涙がとめどなく溢れてくる。

「うわああああああああああん!」
 ついにこの深遠な問いから開放されるんだ。
 全身に縛り付けられてた鎖はもう無くない。
 わたしはこれで、やっと一歩が踏み出せる。

「うわああああああああああん!」
 けどいくら何でも泣きすぎじゃないかしら?
 まるで一生分の涙を流しているみたい。
 どうしてここまで泣くんだろ?

「うわああああああああああん!」
 そうか。わたし、まだ泣いたことない。
 ママが死んでからずっとママの死を悼んだことがない。
 わたしはこれまでの人生で一度も「喪」を済ませてなかったんだわ。

「うわああああああああああん!」
 ママ、ごめんなさい! 遅くに帰ってきてごめんなさい!
 心配させちゃってごめんなさい! これからちゃんと門限を守るから!
 あのとき謝罪よりも先に、おかしな問いしか浮かばなかった自分が恨めしいよ!

「うわああああああああああん!」
 ママが死んだ辛さや悲しみは、きっとあの空っぽの家に閉じ込めていたのかもしれない。
 でも今は涙によってママと過ごした温かい日々が次から次に思い出されていく。
 そうやって泣いているうちに、ある記憶の蓋がパカリと開いた。

「うわああああああああああん!」
 そうだ、ちょっとでも考えればすぐ気付けることだったんだ。
 事故の日、パパとママが疲れていたかどうかなんて他人に言われずともわかる。
 一番そばにいた子どものわたしがそれをよく知っている。

「うわああああああああああん!」
 しゃんとした優しい親なら、子どもとお出掛けする時にどうするだろう?
 映画の日で見たような、あの光景になるのが当たり前なんじゃないの?
 両親が子どもを間に挟み、その両手を二人が掴んで歩くのが一般的な親子連れの姿だわ。

「うわああああああああああん!」
 ならどうしてわたしは生きているの?
 真っ正面や真横から車が走ってきたら、わたしも事故に巻き込まれていた。
 そしてママだけ轢かれていたらパパは無事だし、その反対も同じ。

「うわああああああああああん!」
 昔からわたしはいたずらっ子だった。帰り道で深山君にいじわるしたように。
 あの時、ふざけたわたしは両親の手を離し、赤信号を走って渡ろうとした。
 当然、パパとママは追いかける。そして……

「うわああああああああああん!」
 わたしが振り向いた瞬間に、パパとママは轢かれてしまった。
 パパはいつも口酸っぱく「横断歩道を渡る時はちゃんと信号を守りなさい」と言ってた。
 でも、わたしはそれを守らなかった。約束を守らなかった。

「うわああああああああああん!」
 わたしのせいだ! わたしがルールを破ったからパパもママも死んじゃった!
 こんな悪い子をパパもママも許すはずがない! きっと恨みながら死んだんだわ!
 それに二人はこの世にもういない! どんなに罪を解消したくても許しを請えない!

「うわああああああああああん!」
 あの帰り道に赤信号で轢かれていればよかった! 実際わたしは死が恐くないし!
 わたし、迷走ばかりで一体何をしてきたのよ! パパもママも一度だって弔わずに!
 死んじゃえばいい! 死んじゃえばいいんだ! わたしなんか、わたしなんか……!

「……まったく、顔だけじゃなく口にも出るんだな」
 深山君がわたしを抱き締める。
「結城はいい子だよ。それも俺が保証してやる」
「ぐすっ、ひっぐ」
「きっとパパもママも、死ぬ前に娘が無事でよかったと安心しながら逝ったはずだよ」
「っぐ、うぐっ」
「さあ、思う存分泣けばいい」
「ううっ、うううっ、うぇぇぇぇっ」
「泣き叫べよ」
 わたしは深山君に全てをぶつけた。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」



終章

 わたしは深山君と一緒に夜の公園を歩いていた。
 顔は水で洗ったから目はもう赤くないし、それに何だかスッキリしている。
「わあ、見て見て! お星さまがきれ〜い!」
 わたしは深山君と繋いだ手を引く。雲はいつの間にか無くなり、すっかりと晴れ上がっていた。
 満天の星が輝く空は、宝石箱をひっくり返したかのように煌めいていた。
「どれどれ? ……おお、確かに綺麗だな」
 あ、流れ星! 何をお願いしようかな? うんと、それじゃあ深山君とこれからもずっと一緒にいられますように! ……ってわたし、なんて恥ずかしいお願いをしようとしてるのよ?! ああ、もう流れ星が消えちゃった。残念。
 深山君の顔を見つめる。何だか胸の奥が熱くなっていく。まるで温めたマシュマロみたいに心がとろけていくようだった。
 それ以上見ていられなくなったわたしは、頬を赤らめながら俯いた。緊張のせいで深山君の手をギュギュっと握り締めてしまう。それにちょっとだけ口元がにやけちゃってるかもしれない。困ったな、わたしどうしちゃったんだろ?
 でも、このときめきは悪くなかった。ううん、むしろ心地よいくらいよ。
「なあ?」
「へ? え、えと、何かしら?」
 深山君が話を振ってきた。会話に集中すればきっと治まってくれるかもしれない。
「結城の中で一応決着がついたんだし、これで哲学をやめるのか?」
「え? そんなことないよ? まだまだ魅力的な問題がたくさんあるもの」
「例えば?」
「そうねえ。数とは何か、とか?」
「……業だな」
「あ〜、酷いこと言う!」
 わたしはプンプンと怒った。
「でも結城が生き生きとしてられるんなら、俺はどっちでもいいよ」
「そ、そう?」
 何だか照れちゃうな。そうだ、今度はこっちから話を振ろう。
「え、えっとね。深山君?」
「ん? 何だ?」
「あ、あの……」
 やだもう、軽く切り出そうとしてたのに、やっぱりいざとなると恥ずかしくなってくるわ。
「あのね、その、今度の休みに、二人でお買い物したいんだけど?」
「え、なに買うの?」
「身の回りのものよ。調度品」
「へ〜、それで具体的には?」
「で、電気スタンドかな」
「……」
「……」
「まさか、それだけ?」
「うん、そうだよ。夜に図書館の本を読むとき便利かなあって思って」
 深山君がため息をつく。あ、あれ? 普通の女の子の部屋を目指そうとしたんだけど、まだまだ程遠いみたい。
「あ〜あ、それだけを買いに行くなんてかったるいなあ。どーしよっかなあ?」
「んもう! 遅刻したりすっぽかしたりしたらダメよ。もしそんなことしたらどうなるか……わかってるわよね?」
 わたしはあの瞳に切り替える。
「……眼力のほうも相変わらず、か」
「そりゃそうよ。これはある意味うまれつきなんだから」
 深山君がちょっと怯えている。あのね〜深山君? これはワザとなんだし、こんな約束を破った所でどうこうするつもりは絶対にないんだから、そんなにビクビクしないでよ。
「……遅刻したらお詫びにポークパイをおごってやるよ」
「え! 本当!?」
「目ぇキラキラさせすぎ!」
「えへへ」
 わたしはポリポリと頬を掻いた。
「……とりあえず了解」
「ありがとう!」
 そしてまた温かい沈黙が訪れた。
 胸がまた熱くなってくる。この高鳴りは瞳とは逆に収まってくれそうになかった。心臓の早鐘が凄くなる。ああ、本当に胸が熱いよ。
 深山君と一緒にいるだけで嬉しくなる、深山君と離れてしまうだけで悲しくなる。わたしの気持ちは深山君の存在が決定づけていた。感情の揺れ幅を支配していた。この手の温もりが、わたしにときめきを与えてくれる。
 哲学を語り合える相手なんて深山君だけだった。わたしの特別な時間を共有した始めての人だった。そして深山君なしじゃあ、この特別な時間を過ごすなんてもう考えられない。このファンタスティックな世界が色を失う。
 深山君はもう、八神ちゃんとは違った形でかけがえのない存在となっていた。
 この心理状態にはこころあたりがある。きっとアレなんだろう。
 わたしの中のハートマークがドキドキする。
 もしかしてわたしは。
 ……
 うん、間違いない。
 わたしは、深山君に恋してる。
「……結城」
「な、なに?」
「……」
「……?」
「好きだよ」

「うわっととと!」
 結城がいきなり立ち止まったため、そのまま歩き続けていた俺は後ろに引っ張られる形になり、危うく倒れそうになる。
 結城が手を離しながら、質問してきた。
「……え? ええ? 何で? 告白する雰囲気じゃなかったよね?」
「そうかもしれねえけどよ、恋なんてのは突然訪れるものだろ?」
 結城が目を丸くするが、それに構わず続けた。
「多分、一目惚れだったんだよ。あの夕焼けの教室で、結城が眠っててさ。寝顔を見ると、夢の中でも必死に闘ってるのがわかったよ。そのひたむきな姿にイチコロされたんだ。
 そして実際に仲良くなってみると、とんでもなく言い奴だった。まずファンシーで頑張り屋だろ? んで表情がコロコロ変わるわ、人の話をよく聞いてくれるわ、正義感が強いわ、タメになることを教えてくれるわ、冗談にも通じてるわ、ちゃんと反省もするわで、良いとこ三昧じゃねえか。気性の激しい面もあるけど、しっかり制御しきれているし。
 あとな、あの歌は応援ソングじゃない。結城に向けた、ラブソングだったんだよ」
「ら、ラブ……!」
 結城が驚愕する。どうして驚くんだ? そんなにキザったらしくなかったはずだし、好きな人を励ますのは当然だろ。
「それに、お前の名前も素敵だと思うぜ?」
「……え?」
「まるで勇者のような勇気の持ち主だよ。誰も到達したことのない世界に挑むのは、哲学に限らずどの世界でも並大抵の気概じゃあ出来ない。それでもお前の果敢に立ち向かう姿は、勇気ある者そのものだ。まさに結城にピッタリだよ。
 そ、それによ。結城は、その、かわいくて、…も、萌えるしな……」
 少し恥ずかしかったので、そっぽを向いた。
 しかしいくら経っても返事がない。心配になった俺は正面を見る。
 すると結城が泣きそうになっていた。
「お、おいおい? 俺、何か酷いこと言ったか?!」
「ううん、違うの。これはうれし涙なの!」
「え?」
「だって、だって……」
 結城がこちらを見据える。
「……恋を知った十秒後に、あなたと恋人になれるんだもの」
「そっか……」
 俺はただ、告白したい一心であの時に言っただけだというのに。
「つーか今日のお前は泣いてばかりだな」
「え、えへへ」
 そしてべそをかく結城に優しく問いかけた。
「俺の、恋人になってくれるか?」
 しばらくしたあと、結城がコクコクと頷いてくれた。
「それじゃこれからもよろ」
「あ、ダメダメ! ちょっと待って!」
「へ?」
「わたしは哲学者だもん! ちゃんと言葉で答えなくちゃ!」
 そう言うと結城は少し距離を取った。それからスーハースーハーと深く深呼吸をする。
 結城の決意が固まるまでの間、俺は顔を上げて星空を見つめた。
 ……そうか、そうだよな。人が約束をする時、きっと相手に期待を持って誓いを交わすのだろう。そして相手から、この人とならより良い未来を作りあえると見込まれていなければ、どんなに頑張ろうと誓いは立てられない。
 親父とお袋はどうやら失敗したようだ。だけど俺は結城を信じているから、恋の契りを交わせる。きっと大丈夫、俺達の未来は明るいはずだ。
 ようやく決心した結城がこちらに目を向ける。
「……それじゃ、言うよ?」
「……わかった」
 そして目に涙を溜めたまま、今までで一番の笑顔を俺に見せてくれた。
「こちらこそよろしくね、蒼一君!」
「ああ。大好きだよ、萌」
 こうして輝く星達の祝福の御許で、とある哲学者と俺は恋人になる約束を交わした。
真柴竹門 

2010年12月31日(金)23時33分 公開
■この作品の著作権は真柴竹門さんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
【あとがき】
はじめまして、真柴竹門(ましば たけと)です。
この作品は私にとって処女作となります。小説のイロハも知らないので拙い部分もあるかと思われますが、楽しんで頂けたら幸いです。
「萌え」と「哲学」の融合、という素敵にバカな「哲学的な彼女」企画を知ったのは十二月一日でした。ですので、もしも飲茶さんが締め切り期日を延長せずに十一月で終らせてたら完全にアウトだったのです。
全体的なテーマは「哲学とは何か?」「哲学者とはどんな人種なのか?」「哲学的知識とはどういうものか?」の三つを一気にチャレンジしてみました。それからこんなところでしか発表できないであろう「萌えとは何か?」も取り上げました。
ミステリーの面では、フーダニット(約束論の核心)」「ハウダニット(約束の過程)」「ホワイダニット(ヒロインの動機)」を盛り込んだ【読者への挑戦状】で構成されております。良かったらチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
あとラノベはあまり読まないので、代わりにエ○ ゲー的感性を用いています(笑)。私としては「面白いエ○ ゲーは主人公も魅力的だからヒロインも輝けてるんだ!」という信条を持っておりますので、ヒロインだけでなく主人公にもこだわってみました。
タイトルのほうなんですが、当初は「恋人は哲学者」という超ひねりのないタイトルでしたので『このままでは不味い』と思い、アニメ版「ななついろ★ドロップス」のOPテーマ「Shining stars bless☆」から取ってみました。
これは構想期や執筆期の一休み中によく聞いてまして、『本作品のテーマソングか?』と疑うくらいマッチしていたため、これをタイトルに持ってきたわけです。なお原曲と本作を区別するため、本作のほうは「☆」ではなく「★」にしときました。
芦辺拓先生が「りら荘事件」(鮎川哲也)という探偵小説に対して「おもちゃ箱をひっくり返したようなミステリ」と高評価しています。
この言葉は私にとっても同じことが言えて、まさに私にとって本作品は「おもちゃ箱をひっくり返したような哲学ミステリー」です。
今回のような機会を与えてくださった飲茶さんと、そのユニークな企画にここで感謝の意を申し上げます。
最後に、私が敬愛する城平京先生の一言を持って「作者からのメッセージ」を終らせたいと思います。それでは……
――読者の皆様に、どうか機嫌良く読み終えていただけますように。


【追跡しづらいと思われた参考資料の提出】
「本」
西研「ヘーゲル・大人のなりかた」(序章の社会契約説)
吉永良正「「複雑系」とは何か」(第一章の複雑系)
牧野雅彦「はじめての政治学〜子どもと語る政治とのつきあい方〜」(第一章の契約の謎、言語の謎)
鬼界彰夫「ウィトゲンシュタインはこう考えた―哲学的思考の全軌跡1912〜1951」(第二章の反省知と前反省知)
ダニエル・ゴールマン「EQ こころの知能指数」(第二章の自動思考と第三章の治療プログラム)
ポール・ブルーム「赤ちゃんはどこまで人間なのか 心の理解の起源」(第三章の自閉症とサイコパス)
竹田青嗣「哲学ってなんだ―自分と社会を知る」(第四章の哲学ルール)
竹田青嗣「はじめての現象学」(第四章の欲望)
飯田隆「ウィトゲンシュタイン―言語の限界」(第四章の哲学者向けの問い)
橋爪大三郎「はじめての構造主義」(第七章の贈与論)
桂紹隆「インド人の論理学―問答法から帰納法へ」(第七章のチャラカ・サンヒター)
「映画」
MATT DAMON「BOURNE IDENTITY SPECIAL EDITION」(第六章のフランク・マーシャル)
「ネット」
Wikipedia(全般的に利用)
goo辞書(第五章の人物名)
中村を好きだった人のスレ(第六章の日本語訳。143から146。訳詩の「S.N」さん、無断利用してごめんなさい)
1,800 DVD映画ポータル(第六章のIDENTITY)
映画.com(第六章のSUPREMACYやULTIMATUM)
The Toastsand ?――雑学のすゝめ 星田直彦(第七章の通訳イルカ。素朴な疑問、のNo.407)
*marugao(第七章の良い説明と良い作品。RANDOM TALK in RANDOM WALKより、夏目房之介と竹田青嗣の対談)


この作品の感想をお寄せください。

2011年06月05日(日)20時45分 真柴竹門  作者レス
svaahaaさん、どうも。真柴竹門です。約束した通り本作を読んで下さったことについて、この場で心より感謝申し上げます。そして第一回はもう終了して話題は第二回に向かっているというのに、それでも感想をしたためてくれた事を非常に嬉しく思います。また、こうしてわざわざ長文を書いてくれたことが単純に喜びとなりますから安心して下さい。駄文な感想なんかじゃないですよ。


>やはり本企画の主眼は「哲学」ではなく「小説」なのです。
ええ、そうですね。当初は気づかなかったけれど、約五十作品ほど感想を投稿したのちに『やっぱり大事なのは小説面なんだな』って思い直しました。良い作品には小説としての力強さがありましたもの。「この企画、哲学面が足りんぞ!」って勇んでいた十二月頃の自分がバカみたいです。
しかし、エキセントリクウさんに書いたことの繰り返しに近いんですが、もしも事前に「この企画にガチンコ哲学は求められていないな」と気づいていたなら、私の性格からして絶対に小説を執筆しなかったという罠! ほんと、どないせいっちゅーにと誰かに八つ当たりしたいものです(笑)。
けれど、これだけ哲学面に力を注いだ本作だというのに今年五月初旬で哲学面に欠陥があることを発見したんですよ。しかもそれは、よりにもよって「哲学ルール」を語った第四章だったりします。
本作品での「概念」に対する定義は、各種類の感覚データを繋げ、現在感じている感覚データから別の感覚データへと移行する機能、と説明していました。これって改めて考えてみると、概念というより「連想」に近いんですよ。そして「連想」の定義を元に、クイズ番組でのヒントを検討し直してみると、変な結論に達してしまうんです。
例えばクイズで「さあマクドナルドでは今、人気商品の『マックポーク』が100円マックから120円に値上げされようとしています。残念な話ですね。さて、マックポークの『ポーク』ですが、これは日本語で何という動物でしょう?」という問題が出されたとします。念のため、答えは「ブタ(豚)」です。
そして解答者が「あれだよ、あれ! えっと、くそっ!」と答えが喉まで出掛かっていたとしますね。でも「ブタ」という読みや「豚」という漢字が出てこなくて頭を抱えてしまいました。その場合、我々は普通、どのようなヒントを提出するでしょう?
大抵は「ブ、だよ。ブ」と頭文字を言ったり、もしくは「月偏に豕だよ」と漢字を教えたりしますよね。それで解答者は答えまで辿り着いて見事クリアーとなるでしょう。ですが豚の写真を見せたり、豚肉料理(例えば豚のソテー)を嗅がせたりしたとしても、普通なら答えを思い出すことはありません。不適切なヒントです。
ところが私の提出した「連想」定義では、臭いやら豚の絵やらでも「分かった! 答えはブタだぁ!」と正解を導き出せるようになってしまうんです。でもそれって現実的におかしいですよね。
更にもう一つ、私の連想定義だけで言葉を作り出すというやり方は、実はウィトゲンシュタインが既に批判した「心像主義」とソックリなのです。
詳しくはネットの「心理主義批判――言葉の意味は心的イメージではない」をご覧ください。というか私、ウィトの心像主義批判は有名で昔から知っていたのに、今までずーっと忘れていました。いやはや、記憶力が無いにも程があります。
ただ、これにより約束論が完全に瓦解したりはしません。というか連想機能を用いて言葉を作り出すという考えは、それなりに合ってると思うんですよ。つまり、第四章は完全に間違えてた訳ではなく微調整を施せば済む話だと見越しています。というか約三週間かけて、どのような修正を加えればいいのか目処が立ってたりしてます。
一言でいえば「感覚データを性格形式化した後に単純記号操作可能に加工することで生まれる二重的素材『単語』に連想ではなく論理接続関係を持たせる」といったところでしょうか?(←今回は説明する気ゼロ。すみません)。
しかし、この修正を「シャイスタ★(略)」に組み込もうとするとどうしても追加エピソードが二つ必要になってしまうんです。ただでさえ哲学面が飽和している作品だというのに、これ以上足して誰が得するんでしょう?(笑)。
しかも本作を脱稿してから文章力に磨きをかける修練を積んでいないわ、元々小説を書く意欲が少ないわ、創作活動を通じて互いに競い合ったり励まし合ったり褒貶し合ったりするテーブルに参加するのを心から望んでいるかいうとそうでもなかったりするわで、私はやっぱり作家って気質じゃないんですよね。……負け犬の遠吠えだな(苦笑)。
つーか下手すると十二月の時よりも実力が落ちてるかもしれないから、もしかすると本作をいま改稿したとしても「改悪」になってしまうかもしれないです(笑)。それに小説って表現形式はどうも自分に合ってない気がするというか、前にsvaahaaさんがどこかでおっしゃってたことですが「発表したいなら論文かエッセイで書けや!」と。実際、そのほうがより正確で多くの情報量を注ぎ込めるわけですし。
何か愚痴ってばっかりですね。すみません……

>描写力やら文章力やら話の展開やら、私が気になったところをあげつらうこともできます。
>しかし、読後の全体的な印象としては「コンパクトに完結している」と感じました。
ありがとうございます。ボーイミーツガールという王道なストーリー構成とはいえ、やっぱり苦労して建てた部分が褒められるのは感慨深いものがありますね。
>では肝心要の小説部分ですが……「荒削り」というのが正直な印象です。
うん、当然でしょうね。なんていうか、私って文章を書く時はいつも頭が真っ白になるんですよ。
作家さんの話の中で「筆が走る」「一気呵成に書き上げる」とよく耳にするんですが、私が体験することは絶対にあり得ませんね。前の文章との繋がりや「てにをは」が壊れていないか気になって、ついつい立ち止まってしまいますもの。
筆が走るってのはきっと、言葉とイメージがしなやかに伸びやかに結び付いてることから来る芸当なのでしょう。でも私は逆に、言葉とイメージがもの凄ーく乖離しているんですよ。昔から「言葉なんてのは相手にこちらのメッセージを伝わりゃそれでいーんだよ!」というイデオロギーを持っていて、美文を屁とも思ってなかったんです。まさに言葉を伝達手段としか見てませんでした。
ですから言葉にリズムやら比喩のおかしみやらを持たせなくちゃいけない小説を書く際には本当に苦労させられました(というか今この文章もそう)。それに私はイメージを喚起&保持する力も弱いんで、言いたいことがすぐに雲散霧消するし、イメージの無い状態で言葉を織り込んでいかなくちゃいけません。だから描写力に欠けるんです。文章の雰囲気で語るんじゃなしに、直接的な言葉でしか語れない人間なのです。
はあ、筆が走るってどんな経験なんでしょうねー? 地を這うようにしか文を書けない自分には皆目検討がつきません。きっと一生かかっても味わえないでしょうなー。

>あとこれは個人的な嗜好なんですが、「狂気」をテーマの1つに上げられているという点は私としては高評価です。
>私の抱く「哲学的狂気」と本作品の結城の狂気には若干の隔たりがあるように感じますが、
おおう、これは予想外からの褒め言葉ですね。色んなネタを落とし込んでる作品だから当たり前かもしれませんが。
私としてはsvaahaaさんの哲学的狂気と結城萌のとでは全く違うタイプだと認識しておるのですよ。まあ特に根拠の無い印象論に過ぎないのですがね。間違ってるかもしれませんがsvaahaaさんはどっちかっていうと「無限回廊的狂気」というよりも「越境横断的狂気」のような気が致します。
イメージとしては、でっかくそびえ立つ絶壁があったとしても「うぉおおおおおっ!!」と雄叫びをあげながらコブシ一つで壁を貫き、別の世界へズンズン割り込んでいくって感じですかね。つまり「天邪鬼」といったところです。
一方の結城は無限回廊的狂気で、無表情で黙々とレンガを積み上げてどんどん登って行き、富士山を越えチョモランマを越え、月まで辿り着いてもなお黙々とレンガを積み上げ続ける、みたいな感じです。「登山家」をイメージしてもらったらよろしいかと。
「有る無し」で言えばsvaahaaさんも結城にも両面が「ある」のですが、傾向としてはsvaahaaさんは越境横断的なほうへ傾いていて、結城はその逆に向いているといった具合なんじゃないかと想像してます。
svaahaaさんが問題設定が下手なのも、これに起因しているかもしれません。というのも一応の答えを導き出す前に設定しておいた壁をブチ破って新たな問題を立ててしまうからです。
壁破り、全然オッケーです。むしろバンバンやっちゃって下さい。しかし早すぎるのです。だから僅かな時間でも良いので一つの問題に踏みとどまるのも必要なんじゃないかなーと。……繰り返しますが、間違ってるかもしれませんので半信半疑で聞いて下さいね(汗)。
ってか偉そうなこと言える人間か、自分?

>私も『スパイラル』と『るろ剣』のファンですので
なんと思いもがけぬ共通点?! ちょっと嬉しかったりします。
いやもう、これらにはホントはまりましてね。当時は鳴海歩君みたくモミアゲを伸ばして真似っこしたかった程です(実行しませんでしたがね)。
それに若かりし頃は「二重の極み」を修行したりもしましたっけ。懐かしいな。……黒歴史な小説に黒歴史な感想を重ねてどーするんだ?(笑)。


作者レスとして成立しているのか怪しいくらいに自分のことばかりを書きましたが、この辺で締めようかと思います。
それではsvaahaaさん、感想投稿して下さいまして真にありがとうございました!


pass
2011年06月03日(金)09時40分 svaahaa I0z7AdLSAc +20点
 こんにちは。いつもお世話になっております、svaahaaです。本当にいまさらで申し訳ありませんが、稚拙な感想を少しばかり書かせていただきます。実は宣言通り5月29日の土曜に読ませていただいていたのですが、企画終了後何ヶ月も経ってから感想なんて書いてもなぁ、と最初は感想を書かないつもりでした(特に有益なことをいえるわけでもないですし)。しかし、何の気なしに企画のページを覗いてみると、『コギト【修正版】』の感想欄に感想待ちとのおことばが。というわけで、簡単ではありますが、感想らしきものをば一つ。すでに指摘があるような内容ばかりかもしれませんが、そこはお目こぼしの方をよろしくお願いします。

 すでに色んな方からの指摘がありますが、私も哲学説(約束論)と小説本編とのバランスが前者に傾きすぎているかなと思いました(真柴竹門さんも重々ご承知かとは思いますが)。哲学説それ自体がどれほど興味深く緻密に展開されようとも、それが小説という場においてのことなら空回りせざるを得ません。私も読者さんから感想をもらったり、企画の結果を見て考えたりしましたが、やはり本企画の主眼は「哲学」ではなく「小説」なのです。個人的には哲学側に傾くのは大いに結構、自分でも同調したいぐらいなのですが、客観的に見てそれは求められていないようなので――真柴竹門さんにはわかりきった内容でしたね(汗)。

 では肝心要の小説部分ですが……「荒削り」というのが正直な印象です。もちろん、これが処女作で普段は読み専だと公言される方の技量を云々しても仕方ないと思いますし、私自身偉そうなことをいえるほど腕なんてありません。ただ、先のことばはどちらかというと、いい意味に取っていただきたい。描写力やら文章力やら話の展開やら、私が気になったところをあげつらうこともできます。しかし、読後の全体的な印象としては「コンパクトに完結している」と感じました。肉付きがどうあれ骨組みはしっかりしているといいますか、ちゃんと「物語」として成立しており、そのために必要な要素は含まれている、というイメージです――抽象的すぎますが、ここらで勘弁してください(爆)。

 あとこれは個人的な嗜好なんですが、「狂気」をテーマの1つに上げられているという点は私としては高評価です。企画終了後に飲茶さんが哲学少女のカテゴライズをされてましたけど、個人的にはあそこに「狂気型」を付け加えたいくらいです。細かいことをいうと、私の抱く「哲学的狂気」と本作品の結城の狂気には若干の隔たりがあるように感じますが、しかし、哲学と狂気の関係を描く本作のような作品は私の好みですね。ぜひこういった作品が第二回では増えてくれないかといまから期待しているぐらいです。

 さて、感想としての質は最悪ですが、こんなところで。読了の証拠程度のものだと思っていただければ(なってるのか?)。どうでもいいですけど、折に触れて真柴竹門さんは私と「感性が合わない」とおっしゃってきましたが、ここの感想欄を斜め読みする限り多少の共通点はありそうだなと思いました。私も『スパイラル』と『るろ剣』のファンですので……まぁ、それがいいたかっただけなんですが(汗)。

 雑談などしつつ、どうもありがとうございました。
131

pass
2011年02月25日(金)19時41分 真柴竹門  作者レス
<古川 渚さんへの返信レスその2>

古川 渚さん、こんばんは。……で、いいのかな? あ、今回の投稿は「古河 渚」さんでした。すみません。
ええっと、古河 渚さんは今回、問題編のほうも読んで下さった形になりますね。ありがとうございます。
……あ〜、意味内容は通じるけど「古河 渚さんは今回」ってビミョーに間違っちゃってますね。前回の感想レスは「古川 渚」ですのに。
前もって「問題編を読みましたので、あらためて総合コメントを書かせていただきます」と書いてあるんだから良いんですけど……うわー、ややこしい!
しかもコンピュータは意味を深く考えずに「古川 渚」と「古河 渚」は別人だと捉えてるから、先の二十点評価と後の十点評価がゴッチャになってます。これだから『前反省知』は……(ぶつぶつ)。
まあ「感想を書いてくれるだけでも私は嬉しい」って書いたのは本当の話ですし、もう別に構いません。大賞を決めるための点数付け期間はもう過ぎましたしね。
また、ゴッチャなのはこれだけではありません。

>◆はじめて小説を書いたとのことで、驚きました。
>とても素晴らしい才能ですね。それは素直に感じました。

>P.S. 真柴さんは、いつもどこで作品発表してるんですか。よかったら、鍛練場はどうでしょうか。
>きついことも言われますが、勉強にはなりますよ。もっとも、私もあそこにいつまでいるのかは解りませんが。

……よし! ちゃんとディシプリンしてますな! これでもかってくらいカオスです!
見当違いな意見でしょうけど、古川 渚さんは論理学の本を読んだほうがいいのではって前に書きましたが、それよりも「論理的妄想」をしてみてはどうでしょうか? というのも……

>◆たぶん、自分では忘れていたけど、海馬がそのフレーズを覚えていたようですね(笑)。
(あれ、海馬って「記憶する」場所であって「記憶を溜める」場所ではなかったような?)
>どうもプロットがあると物語が走らないような気がして、後半の戦闘シーンが増えて来るあたりからは、プロットなしです。
>どうも仕事柄、常に新しいことを発見して発表しなければならないので、
>史実の主流である(予定調和的な)結末を引っくり返したいとの欲望にかられた結果です。

……えーとですね。哲彼企画で始めて知ったんですけど、世の中には「構成やストーリーラインに気を配るほど、書きたいことと乖離してやる気が削がれる」という人がいるらしいですね(金椎響さん、ごめんなさい)。
でもね、映画の監督は、山ほどある脚本を読んで「面白い!」と思えた脚本を実際に映画撮影するらしいです(未確認情報)。
つまり、「論理的妄想」で何が言いたいかっていうと、『あらすじ・脚本だけで読者を満足させてみせよ、メッセージを描いてみせよ!』といいますか。伏線を張ったり、何かと何かを繋げるのも楽しい作業かと思うんですがね。えっと、そんな感じ。
あとそれから『猪突猛進すぎますよ』とツッコみたいです(笑)。推敲や「メタ認知」も、大事なことですからね。
とはいえ、勢いは大事ですよ。大切なのは、立ち止まることと勢いづくことを両立させるのを心掛けてみませんかってことです。


ではそろそろ本題に入りますか。
問題編の欠点として「長いこと。哲学的な知識に触れすぎてお腹いっぱいになった」とありますが、まあ哲学面ばかり目立つ長編作品ですものね(笑)。
こう、良い意味でのタメになる知識欲に飢えてたりするなら本作を楽しんでもらえるかもしれませんが、小説面を欲してたり『お勉強タイムは今の所もういいわ』って食傷してたりする人には辛いでしょう。
それから雰囲気、ですか。ん〜、自分には文章力だけで読者を魅せる能力なんて無いと思ってますからねえ。実際、状況描写だけで一杯一杯でしたもの。
それに本を読んでる時には「これは雰囲気のある文章だな」「これはそうでもないな」という区別は付くのですが、いざ自分が書くとなると、一体どういうのが雰囲気のある文章なのかが分からなくなりました。何なんでしょうね、雰囲気ある文章って?
また中盤のだれそうな所にインパクトのあるとんでもない事件を持ってきてはって意見ですが、これも難しいです。私としては無駄な事件は増やしたくないんですよ。
物語に繋がる有用な事件というのは「事件前後で何かが変化しているか、または大問題に対してキャラ達が奮闘する姿を描く」などなどを満たさないといけないでしょうが、きっとそれは読者の「引き」にならないでしょう。
最近、アニメ「まどか★マギカ」を見てて思ったのですが、あんなダークな作品なのに毎回見たいって気持ちにさせられるんですよ。何でかっていうと「引き」が上手いからです。
週刊マンガなんかで「引き」というのは知ってました。例えば、主人公を殺そうとする敵が斧が振り上げた時に「次回へ続く」となったりとか、ですよね。
でも主人公が大して魅力的じゃなかったら読者は次週の回を見なかったりするでしょう。「この主人公がどうなろうと関係ない」みたいな。
つまり作り手は、読者が「ある何か」に対して価値が高まるように仕向けなければいけないということです。言い換えれば、興味をムリヤリ抱かせるといいますか。
「まどか★マギカ」の第一話なんか「あの大スペクタクルな冒頭は物語にどう繋がるんだろう?」「ヒロインのまどかはどうなっちゃうんだろう? 謎めいたもう一人のヒロインのほむらってどんな奴?」「超絶的な幻想シーン、次週も見れるかな?」とか、振り返ってみれば私の中でいくつもの『大事な問題』が形成されてしまいました。
けどそれは、「冒頭」「まどか、ほむら」「幻想シーン」がとても価値あるものになってからでないといけません。んで、その「大切な何か」が問題に晒されて、しかも解決が次週に持ち越されたから読者はまた読むハメになるんです。
何が言いたいかっていうと「長編を書くにはまず『価値の魔術師』にならないといけないのでは?」というわけでして……えっとすいません。わたくし事ばっか書いてるクセに混乱しています。もう素直に「インパクトのあるとんでもない事件」について考えてみますね(笑)。
……つーかマジで、小説のイロハを勉強してから本作を執筆したかったです!(泣)。
え〜と、結城がクラナド渚に似ていないかって話ですが、ちょっと予想外の意見でした。結城の性格面についてはクラナド渚を参考にしたつもりはなかったですから。というか特に参考にしたものはありません。
でも確かにクソ真面目で、けど天然でとぼけている点はクラナド渚に似ていますね。しかも、よくよく考えてみれば古川 渚さん。なかなか鋭いですよ。
楽屋裏のネタになりますが、ヒロインの設定が決まった後に『じゃあ主人公はどうしようか?』って考えた際に、速攻でクラナドの主人公の「岡崎朋也」を思い浮かべて、即決でモチーフにしました。
世の中には色んなタイプの主人公が存在しますが、「哲学的彼女という強烈な文系のキャラと渡り合えそうな強い主人公の一人がコイツだ」って感じで決めたのです。
また、ちっちゃくてオドオドしたヒロイン(渚)とおっきくて落ちこぼれの主人公(朋也)という組合せが、とても良い具合に好対照を生み出してたのも印象的でして、今回はそれを流用させてもらいました。
ですから、古川 渚さんの「クラナド渚と酷似説」はなかなかのものなんですよ。流石、現役の物理系研究者だけあって真実を言い当てる能力が優れてるように見受けられます。ちなみに、第一章の庭シーンもクラナドをちょびっとだけ意識してました。
また、クラナド渚は「大好き」って訳でもないんですが『……凄いキャラだ』と圧倒されてましてね。ゲーム中、クラナド渚の言葉は非常に考えさせられました。
なので、そんなクラナド渚と重ね合わせた上で結城が好きだって言ってもらえると凄く嬉しくなります。こんな不肖の娘を可愛がってくれて、本当にありがとうございました。
……でもクラナド渚よりもウチの結城のほうが、明るいし、ハキハキしてますし、とっても賢いんですけどね。エッヘン!(笑)。

それから「思考に弱い」という酷い発言をしてしまってすみませんでした。私って結構そういう人格攻撃する傾向があるような気がします(つまり自覚なし)。
この場で改めて謝罪を申し上げます。本当にごめんなさい。そして、傷つけた当人が言うのも変ですが、これでへこたれずに自力で立ち直って、それを糧にしてでも優れた小説をお書きになって下さいね。
それでは重ね重ね、本作を全て読んで頂きありがとうございました。


pass
2011年02月24日(木)09時43分 古河 渚  +10点
真柴竹門さま

問題編を読みましたので、あらためて総合コメントを書かせていただきます。

>……アンタ、おかしいやろがー! ミステリーの解決編だけ読んで満足する人って聞いたことあらへんわい!
しかも問題編の存在を疑うどころか解決編だけでストーリー把握するなんざ、どんな素敵な脳内変換機能を持ち合わせとるんや?>
◆いや、大変失礼しました。問題編があるってことが頭に浮かびませんでした。たぶん、回答編の前半部がそれだけで読んでも破綻のない構造になっていたからだと思うのです。それで、遅ればせながら問題編を読みました。
◆で、本作品の後半の展開は、なぜそうだったのかは氷解しました。
◆問題編は、いくつかの哲学的なエピソードがちりばめられていて、各パートは面白い読み物なのですが、全体としては印象が薄くなる感じです。私的に理由を考えると。
長いこと。哲学的な知識に触れすぎてお腹いっぱいになった、みたいな。
どのパートも同じような雰囲気、個別には特徴があるし登場人物も違うのでうが、雰囲気が似ていて、途中で先に進める推進力が減少してくる。
◆前半から中盤までは魅力的な展開でしたが、後半がだれたみたいな感じですね。中盤のだれそうなところで、インパクトのあるとんでもない事件を発生させたりしたらよさそうですね。
◆はじめて小説を書いたとのことで、驚きました。とても素晴らしい才能ですね。それは素直に感じました。
◆結城って、なんかクラナドの渚に似てませんか。くそ真面目で、しかし、どこか天然でとぼけている。語尾を「です。ます。」に変えたら完全にそうですよ(笑)。とても、好きなキャラでした。

>それから、このパラグラフは古川 渚さん(古河 渚さん?)以外は読まなくていいですよ。
えっと「雪の中の修道院の墓地」(古河 渚名義)を読みました。量子力学、渚、全く関係ねーじゃん!(泣)。
このサイト以外で感想を書くのはちと躊躇うので、ここに一言二言だけコメントしときます(勿論、ある程度ぼかしてです)。
水晶の玉とガラスの玉の見分け方はタメになりました(え、そこ?)。
あの作品で失敗なのは、読者に情報の提出が上手くいってないことです。「明晰夢」という単語があることからいっても「幻想=曖昧」ではありませんよ。
というわけで、いつもの会話体から離れようとした努力を考え、哲彼企画風に点数付けするなら、十点です。>
◆お読みいただきましてありがとうございます。情報提出と余韻の関係をつかもうとしていますが難しいですね。この作品では、ちょうどいいという人と、足りないと思うという人が半々くらいで、作者の狙いとしてはうまくいったと思っています。もう少し修行が必要なことは確かですし、幻想と曖昧の関係についても考えてみます。コメ参考になりました。

>また「『ト伝 vs 一刀斎 (剣豪時代小説:312枚)』」(古河 渚名義)も読了しました。
「しかたない。おのしらの命日がやってきたようだな」素朴な名セリフ、イカすぜ一刀斎! でも「その時歴史は動いた。」って、某NHK番組のパクリ?(笑)>
◆たぶん、自分では忘れていたけど、海馬がそのフレーズを覚えていたようですね(笑)。

>水月編では「無法者」「将門党」とのバトルが面白かったし、典膳編では鳶や梶木の「みる」とか修験者の「今より先のことは考えぬ」とか鷹男戦で勇み足を踏まずに「喜一郎」と名乗ったりといったタメになる話が良かったです。
しかし、ラスト近くで水月がいきなり恨みつらみを覚えるのはいきなりすぎて不自然でしたし(今までそんなことで怒ってなかったくせに)、何よりも皆さんが言うようにラストがおかしすぎます(これまでの物語の文脈や、読者の期待から外れすぎ)。
そして感想で「これからの話はこんなものですよ、との前振り」と述べてるくせに「どうだ、新しい視点だろ、みたいな感じで書いた」って、矛盾しています。>
◆面白い場面があったようで嬉しいです。最後の場面を書いていたときの、私の心理は完全に読まれていますね(笑)。ここは、書き直す予定です。

>三作読んだうえでの勝手な推測ですが、古川 渚さんはクイズ問題には強そうだけど思考問題(推理問題)には弱そうだなって思いました。だから「各エピソードの繋がりが悪い」ようになるのかと。
良かったら初心者向けの本でいいから数学、いや論理学の本でも読んでみてはいどうでしょう? 保証はしませんが、意外と古川 渚さんのタメになるかもしれませんよ?>
◆思考に弱い。これは生まれて初めてのご指摘で、バットで頭を殴られたような衝撃でした(笑)。
実は、物理学科卒で、今も現役の物理系研究者なんです(テーマは言いません)。でクラナドの多重世界構造なんかも好きなんです。
で、たぶん、ご指摘はその通りだと感じました。ディラックやハイゼンベルグではなくて、アインシュタインやファイマンのようになりたいと思ってるんです(笑)。

>それでは、この辺で失礼します。ありがとうございました。>

こちらこそ、大変にありがたかった。嬉しいです。
ありがとうございました。

P.S. 真柴さんは、いつもどこで作品発表してるんですか。よかったら、鍛練場はどうでしょうか。きついことも言われますが、勉強にはなりますよ。もっとも、私もあそこにいつまでいるのかは解りませんが。


143

pass
2011年02月20日(日)02時15分 真柴竹門  作者レス
古川 渚さん、どうも。真柴竹門です。分割投稿というマナー違反を犯した愚か者の真柴竹門です。
オリジナリティーが高いとかヒロインが魅力的とか、そのように高評価してもらえて大変嬉しくなりました。
この場を借りまして、お礼申し上げます。本作を読了して頂き、真にありがとうございました。
……で、いいのかな?

>これは、長編の一部でしょうか?
>全体を読まないと理解できない部分があって、そのへんを短編用に整理されたらより完璧だと思います。

……えっと、すいません。本作は哲学ミステリーのため、問題編と解答編に分かれておるのです。本当に、このようなルール違反をしてしまって飲茶さんと皆様に申し訳ないです。
ちなみに問題編はどこにあるのかと言えば……「見つければいいだけだろ?」(朋也調)。
それから「シュレディンガーの子猫」の返信レスを拝読させてもらいました。
どうやら普通の褒め言葉は通用しない変人さんみたいなので、飲茶さんは「読者を批判してはいかん」と仰られておるので非常に心苦しいのですが、私は次のように罵ってあげましやう。
……アンタ、おかしいやろがー! ミステリーの解決編だけ読んで満足する人って聞いたことあらへんわい!
しかも問題編の存在を疑うどころか解決編だけでストーリー把握するなんざ、どんな素敵な脳内変換機能を持ち合わせとるんや?
極めつけは「わーわー泣く場面はコンパクトに」「短編用に整理したらより完璧」だとほざきよる!
ディシプリンは完全な混沌は完全な沈黙に通じとるんとちゃうんかー? そんな有り体じゃディシプリンの名が泣きよるでー!
……とまあ最後のほうは本当に批判めいたことをしてしまったような気もしますが、それもカオスってことで(笑)。


それから、このパラグラフは古川 渚さん(古河 渚さん?)以外は読まなくていいですよ。
えっと「雪の中の修道院の墓地」(古河 渚名義)を読みました。量子力学、渚、全く関係ねーじゃん!(泣)。
このサイト以外で感想を書くのはちと躊躇うので、ここに一言二言だけコメントしときます(勿論、ある程度ぼかしてです)。
水晶の玉とガラスの玉の見分け方はタメになりました(え、そこ?)。
あの作品で失敗なのは、読者に情報の提出が上手くいってないことです。「明晰夢」という単語があることからいっても「幻想=曖昧」ではありませんよ。
というわけで、いつもの会話体から離れようとした努力を考え、哲彼企画風に点数付けするなら、十点です。
また「『ト伝 vs 一刀斎 (剣豪時代小説:312枚)』」(古河 渚名義)も読了しました。
「しかたない。おのしらの命日がやってきたようだな」素朴な名セリフ、イカすぜ一刀斎! でも「その時歴史は動いた。」って、某NHK番組のパクリ?(笑)
水月編では「無法者」「将門党」とのバトルが面白かったし、典膳編では鳶や梶木の「みる」とか修験者の「今より先のことは考えぬ」とか鷹男戦で勇み足を踏まずに「喜一郎」と名乗ったりといったタメになる話が良かったです。
しかし、ラスト近くで水月がいきなり恨みつらみを覚えるのはいきなりすぎて不自然でしたし(今までそんなことで怒ってなかったくせに)、何よりも皆さんが言うようにラストがおかしすぎます(これまでの物語の文脈や、読者の期待から外れすぎ)。
そして感想で「これからの話はこんなものですよ、との前振り」と述べてるくせに「どうだ、新しい視点だろ、みたいな感じで書いた」って、矛盾しています。
三作読んだうえでの勝手な推測ですが、古川 渚さんはクイズ問題には強そうだけど思考問題(推理問題)には弱そうだなって思いました。だから「各エピソードの繋がりが悪い」ようになるのかと。
良かったら初心者向けの本でいいから数学、いや論理学の本でも読んでみてはいどうでしょう? 保証はしませんが、意外と古川 渚さんのタメになるかもしれませんよ?
また哲彼企画風に点数付けするなら、二十点です。でも三十点に近い二十五点でしたね。どっちにしようか悩みましたが『これは二十点だろ?』と心の声が囁くので、二十点です。
……にしても「哲魔女、オレとか(略)」でも書いたことですが、やりたい放題すぎますねえ(笑)。


もしも「問題編」も読んで頂き、点数付けやら感想やらをし直してくれるのなら、わざわざ「問題編」「解決編」の両方に投稿するという面倒なことをしなくてもいいですよ。
両方の感想を一緒くたにして「解決編」にしてくれるだけで十分です。感想を書いてくれるだけでも私は嬉しいですからね。
まあ「解決編」にちゃんと注意書きを書いてなかった私のミスなんで、もう感想をそのままにしてくれても結構です。それについては読者側に自由権がありますものね。

それでは、この辺で失礼します。ありがとうございました。


pass
2011年02月20日(日)02時00分 真柴竹門  作者レス
空のさん、どうも。真柴竹門です。……哲学ゾンビだ。魔法少女ものに哲学ゾンビだー! うおおおおーーっ!!
っと、興奮してすいません。アニメ「魔法少女まどか★マギカ」6話や7話を見たすぐ後に「哲学ゾンビ」な空のさんからの感想を読んだので、タイミングぴったしすぎたからつい錯乱してしまいました。
いや勿論、アニメのアレは哲学ゾンビとは正確には違うんですがね。でも哲学ゾンビだって思わずにはいられません。ああそうそう。「哲学的に殺しあおうよ」で提出した未由の魅力アップ改善案なんですけど、全面的に廃棄して下さい。
あれはどう考えても取捨選択的に無駄です。何故かって? それは長身細身で糸目の男子がキュゥべえだからです! ええ、そうです! そうなんです!!
それからキンツイキ…じゃなくて、かなしいひびきサーン! 聞こえてますかー! 「痛覚マスキング」ですよー! 魔法少女ものなのに、痛覚マスキングなんですよー!!
いや「哲魔女、オレとか(略)」で私は「シャッターボタンを全押しにして」と「まどか★マギカ」が「異端」繋がりだと曖昧に繋げてましたが、まさかこんなにも明確なリンクが到来するだなんで予想外です。私は予言者ですか?(笑)。
コンチクショー、新房監督めー! 「なのは」だけじゃなく「まどか」でもかましやがりますわい!

さて、おバカな話はここまでにして本題に入りましょう。
馴れ合い云々については安心して下さい。さっきまで空のさんを完全に無視してたわ言をほざいてた人間ですので、あなたの心配しておられる事が入り込む余地などありません(笑)。むしろ「どこまでも正直に」と言って下さると『読者の生の声なんだ』と思えますから、こっちも助かりますよ。

粗だらけのクソ長い本作を読了してありがとうございます。そして「面白かったから読了できた」と聞けて嬉しいです。
あと、作品を読んだだけで『あ、これは処女作だ!』と見破れる輩はそうそういないと思われますし、玄人の作品でも粗がある作品を出す場合だって考えられます。
そしてより大事なのは、読者が良い印象を持てたかどうかでしょう。空のさんのような読み方のタイプの人に良かったと言って貰えて嬉しさも一塩です。

「迫力、水風船、デコレーション」ですが、確かに知識の渦で読者を飲み込もうとしてる作品になってますね。それら単独で見れば短編を一本書けそうなネタをメタクソに投入してるから読者にそう思われて当然でしょう。
そのデコレーションしすぎが、文字数オーバーというマナー違反を犯すハメになったのも事実です(泣)。ですから「ぶちまける」といった表現は的を得ています。
掘り下げについては、登場人物が「約束」という主題に関して考えを進めたりするシーンがあれば、これも満たせたのかもしれません。こう、キャラ達が思考の迷宮に彷徨い歩く姿も良いでしょうね。
だけどその迷走を上手く想像できなかったもんですから書けませんでした。答えを知ってるのにわざわざ迷宮に留まるって難しいような気がします。
私には美文を書く才能が一欠けらもございません。状況を描写するだけで手一杯でした。それでも「哲学」「哲学者」「哲学の知」という全体的なテーマをどうしても表現したいという思いが、作品の骨子に力を与えられたのでしょう。
にしても空のさんが頑張って知識に食いついてこようとする姿を想像すると、何だか萌えてきちゃいます(笑)。

肥料や水の例えですが、肝に銘じておきます。本作はあまりにも詰め込みすぎちゃいましたからね。
実際、どのネタを削ればいいのか分からないんですよ。ということは、文章をコンパクトにする能力が欠けてる訳でして、それは立派な欠点であります。
情報の取捨選択、とても難しい課題ですね。いや、本当に。

>もしかしたら、こういう豊かな書き方が真柴竹門さんの持ち味というか良さになるかもしれない
>将来性もセンスもあると思うので、趣味でもいいので書くことは続けてください。

……いやいや、私はそんなに物知りじゃあないですよ。だから本作のような書き方を続けるなんて出来っこないです。
今の所は趣味でも創作活動をするつもりはありませんが、もし続けるとしても「掘り下げる」ことを心掛けなければならないでしょう。
それから空のさん、私を褒めすぎです(笑)。

>最後に、ぐちぐち言ってますが、面白かったのは事実です。
>これは本当です。読んだ後、ふと考え込んだくらいです。

……そう言って頂けて何よりです。私の作品が他の人に良い影響を与えられたのなら、本作は立派に成功したといえるでしょう。
それでは、ここら辺で失礼したいと思います。
最後に、感想返しのため律儀にも本作を読んで下さり、どうもありがとうございました。


pass
2011年02月18日(金)12時59分 古川 渚  +20点
拝読しました。

前半部、とても面白かったです。
オリジナリティーも高いなと感じましたし、主人公の女の子も魅力的でした。

中盤、わーわー泣く場面が少し興味を削がれました。
もうすこし、コンパクトにしてもいいような気がします。

終章はよかったです。
これは、長編の一部でしょうか? 全体を読まないと理解できない部分があって、そのへんを短編用に整理されたらより完璧だと思います。

前半だけなら40点つけたいのですが、全体としてこのようになりました。

ありがとうございました。
124

pass
2011年02月18日(金)00時55分 空の  +30点
拝読しましたので感想を。

はじめに但し書きをしておきますが、感想返しになる場合は基本的に「どこまでも正直に」をモットーに書くので、どうかお許しを。そうでないと馴れ合いになって、ただでさえ僕は堕落しきった生活を送っているのにさらに堕落してしまいますから。
すいません。個人の事情はさて置き、感想を書かせていただきます。

まず、これだけの長さの作品を読了できたということは、ぶっちゃけ面白かったということです。
処女作って言われないと、処女作だって僕はわかりません。もちろん、粗を探せば見つかると思うんですが、僕はそういう細かいところを一々見ないタイプでして、作品の流れとか印象とかを重視しています。

読了後に素直に思ったのは、迫力があったなぁ、と。
それはまるで、水風船にどこまで水が入っていくのを見ているみたいな、そういう危うさを楽しむ感じかもしれません。もっと言うと、ひとつひとつの知識だけで作品を一作一作、創作していけそうなんです。それぐらいのネタを、惜しみなく一つの作品に込めていったみたいな。
悪く言えば、デコレーションが豊富すぎる、あまったるいケーキのような。一つの作品に知識を込めすぎかもしれないとも言えますね。
掘り下げるというよりも、ぶちまける感じと言えばいいのか。そこら中に込め続ける。それはとても参考になりますし、むしろ創作の一つのやり方を見たような感じでしたね。
ああ、そうかと。僕が書けなかったのはアイディアが浮かばないからだけでなくネタが足りなかったんだなぁ、とか。いや、これはこの作品には関係なくて、個人的なことなんで置いておきますが、それぐらいなんか力強かったです。
作品の筆致自体は、決して力強いとかそういうわけではないんですが、
その底流に流れるものは、やっぱり力強いんですね。
ついていくのに精一杯になったり、あるいはその知識に食いついたり。
そんな風に僕は読んでいたように思います。

土壌が豊か過ぎて、肥料がありすぎて、一見すると花がめいいっぱい咲きそうだけれども、
でも逆の話もあって、ですね。
花は水をあげすぎると腐るらしいです。
肥料がありすぎても、良くないらしいです。
丁度、本当に丁度ってどれぐらいか農家の人が調べたんですが、
それがちょっと不足するぐらいが綺麗に花を咲かせるそうです。
果実とかも甘くなるそうですよ。

僕が言いたいのは情報の取捨選択。
削る作業も、もしかしたらこれから必要かもしれないということです。
って、こういうアドバイスは、ど素人の僕がすべきではないし、
今までしなかったんですが、あえて「どこまでも正直に」ということで話しました。
自分の実力の無さを棚に上げていることを、どうかご理解を。

もしかしたら、こういう豊かな書き方が真柴竹門さんの持ち味というか良さになるかもしれないので、
できればこの意見も取捨選択の末に捨ててください。
あと、処女作と知って、ぶっちゃけ驚いています。
将来性もセンスもあると思うので、趣味でもいいので書くことは続けてください。

最後に、ぐちぐち言ってますが、面白かったのは事実です。
これは本当です。読んだ後、ふと考え込んだくらいです。

それではどうか、ご無礼のほどをお許し下さい。
136

pass
2011年02月16日(水)00時00分 真柴竹門  作者レス
読んでくれてありがとうございます。折伏ぬゐ 
それでは失礼します。ありがとうございました。



<二月二十日深夜午前に追記>


折伏ぬゐさん、どうも。真柴竹門です。編集機能だけでなく、感想投稿の機能も残されたようなので、ちゃんとした返信をします。
そして、この前はいくら急いでいたとはいえ「さん付け」も「句点」も忘れて返信レスを仕出かしたことを誤ります。ごめんなさい。

――哲学ヤバイ、ですか。作者としては『……してやったり!』とブラックにほくそ笑んだりしてます(笑)。すいません、こんな作者で。
とはいえ、この作品には色んな要素をぶち込んだので、それが成功したようなのでホッとしています。なにせ小説面にはチカラが入れられなかったギューギュー詰め作品でしたからね。
なので結城の哲学シーンには、誰でも分かるように説明したり、面白くなるように工夫したつもりでした。
感情的な面は、まあ、作者の意見も入ってますから当然でしょうね。それこそ『数式だらけの本にも作り手の感情が込められてるんじゃないのか?』って疑問に思っておりますので、哲学的な主張の場面なら尚更です。

結城のモノローグがくどかったのは、ヒロイン視点がチョイ要素なため全体的に少なくならざるを得ないので、その分は取り返そうと意気込んだせいでしょう。

>重要な場面同士を繋ぐ間の部分(特に『問題編』において、
>カラオケに行く前の三人組と会話するシーン)で描写が粗くなることがありました。
>推敲の余地はあると思います。

……そうですか。小説面にはやはり粗が見られましたか。というか執筆期には、哲学面を押しに押しまっくて小説面の弱さを誤魔化そうとした魂胆もあったような気がします。けどやっぱりちゃ〜んと書くべきですね(笑)。
サブキャラ三人組の活躍の場ですけど、これ以上追加するのはちょっと難しいですね。
八神一人だけってのも確かにアリでしょうが、牛髑髏タウンへの返信レスにも書きましたけれど「結城と神楽の関係性で仄めかした」りしたかったこともありますので、なかなか思い切ったことが出来そうにないです。
それなら明確に書けよって話ですがね(笑)。

>哲学面50点、文章面20点ということで、平均して35点。
>独自色ある試みが面白かったことに5点を足して、40点とさせていただきます。

……うはあっ! 哲学面で五十点も評価して頂けるのですか! 本当にありがとうございます。
それから感想の短さですが、さほど気にしなくて構わないですよ。「――哲学ヤバイ。」で十分ですから(笑)。
では、短いながらもこの辺で失礼します。四十点という高い評価と、シンプルな感想をしたためてくれて嬉しかったです。
折伏ぬゐさん、どうもありがとうございました!


pass
2011年02月15日(火)23時58分 折伏ぬゐ 3zzXlUmpzE +40点
 真柴竹門さんこんにちは。遅ればせながら読ませていただきました。


 ――哲学ヤバイ。

 読み終えての感想はこんな感じです。自分が哲学に関して素人同然であることを自覚させられました。
 『約束』の定義や『言葉』の存在意義といった話は非常に興味深く、新鮮なものでした。いろいろな要素が詰め込んであり、それぞれに対して哲学的な考察を結城さんがときに優しく、ときに感情的になりながら解説していく点も勉強になりました。


 ただ、キャラクターには少し抵抗感が。深山君はそれほどでもないのですが、結城さんの口調というかモノローグがたまにくどく感じられました。
 文章は処女作とは思えないレベルだと思います。しかし、重要な場面同士を繋ぐ間の部分(特に『問題編』において、カラオケに行く前の三人組と会話するシーン)で描写が粗くなることがありました。推敲の余地はあると思います。
 サブキャラ三人組ももう少し活躍の場があって良かったのではないでしょうか。枚数的にキツキツだとは思いますが、なんでしたら八神さん一人にした方が良かったかと……。


 哲学面50点、文章面20点ということで、平均して35点。独自色ある試みが面白かったことに5点を足して、40点とさせていただきます。


 本当はもっと長く書きたいのですが、感想締め切りが迫ってきてしまったので、短くて申し訳ない限りですがこの辺りで。
 素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました。
131

pass
2011年02月15日(火)23時33分 真柴竹門  作者レス
金椎響さん、どうも。真柴竹門です。
ありがとうございます、金椎響さん! このような拙作に付き合って頂き、さらに三十点もつけて下さって、あまりの嬉しさに舞い上がって歌を歌いたくなっちゃいます。
 交わしたヤックソクーッ忘れっないよ♪ 目っを閉じー確かめるっ♪
 押し寄せった闇ーっ 振り払って、すーすむよーー♪
 どんなにおっおきなー壁が、あってもー越えてーみせるから、きっとーー♪
 アーシーター信ーじてー♪ いのーってーーー♪
……はい、すみません。「哲魔女、オレとか(略)」で痛い目にあったのにも関わらず、また性懲りもなしにアニソン歌ったりしました(コネクト:ClariS)。音痴のクセに。

まず短所。
確かに哲学面をやりすぎたばっかりに、小説面が薄くなってしまいました。それに説明のほうも、全く哲学のことを知らない読者でもついてこれるようにと念頭に置いていたため、長ったらしくなってます。
解決編では文字数という束縛を勝手に気にしなくなったためか、ノリノリで書きました(勿論、四苦八苦しながらですが)。だから問題編以上の長ったらしさになったのです。
あと単なる言い訳になりますが、構想期では図書館から借りていた「あさま山荘1972(上)」(坂口弘)という少し難しい本を読んでましたので、作品について考えを練る時間もロクに取れなかったのです。
それが「小説と哲学のバランス」「謎の魅力」を欠いた結果に繋がったのかもしれません。「図書館の本を読了せずに返却だなんて言語道断!」……そんなイデオロギー、捨てとけば良かったです(笑)。
とはいえ約束論以外にミステリー展開可能なネタが無かったし、難しい問題です。

次に長所。
まさに「長所は短所」ならぬ「短所は長所」ですね(私、諺の意味をちゃんと分かってるのかなあ?〔笑〕)。
哲学面をやりすぎたのが反対に良かったって、私はどう反応すればいいのやら(笑)。まあ現金に喜んどきましょう。
ミラーニューロンについては『世間はコレをちゃんと把握してるのかな?』って前々から訝しんでおりましたので、良い機会だと思って八神には「かませ犬」になってもらいました(笑)。

>この企画において、この作品以上に哲学面を徹底的に追求した作品は、恐らくないんじゃないでしょうか。
>そう評してしまいたくなるくらい、この作品は哲学的だと思います。
>また、哲学ミステリーという発想、
>この企画において恐らく誰も挑戦しなかったジャンルを開拓したという点は素晴らしいと思います。

……ありがとうございます。

>なので、この作品は「無意味」などと評される類のものではないと個人的には思います。
>少なくとも、わたしにはその意味をしっかり見出せる良い作品でした。

……ありがとうございます。

そして社会契約説ですが、初めて小説を書いた日に出てきた哲学シーンでしたし、何よりもコレ、意外と説明するのが難しい気がするんです。単なる主観的意見ですが。
この説明シーンを書いた当時は『自分はこんなにも社会契約説を理解してなかったんだ!』とかなーり愕然としました。今でも、これを優しく説明できるか自信ないです。
それから「引き」というのが全く理解してなかったし、また「早めに説明しとかなきゃ読者が「?」の世界に飛んでってしまう!」という強迫観念に憑かれていたため、こんなミスを犯してしまいました。
ご指摘の通り、もっと後でも紹介すれば良かったですね。あと、どんでん返しの件ですが、ハードル高すぎます(笑)。それこそどう料理すればいいのか悩んでしまいますね。
金椎響さんが結城に萌えられなかった件ですが、それほど気にしてませんから安心して下さい。ある対象に対して嫌いな人がいれば、逆にその対象が好きな人だっているかもしれませんからね。
「小説を書くのに女心を知らなくてもいいのでは? 自分の理想像の驀進すれば、自分に似た感性の人に受け入れられる」という意見ですが、金椎響さんのお言葉で大切なことを思い出せた気がします。そうですよね。金椎響さんが仰るとおり、なのかもしれません。
といいましてもね。結城のキャラはかなり意図的に決定したのですよ。「ツンデレ、委員長、お嬢様」などなどの萌え様式がありますが、これらは「可愛さ→ツンデレ、委員長、お嬢様」というような追加作業をしないと「萌え〜!」にならないと思うんです。
しかし「小動物系」は、可愛さとイコール関係で結ばれていますからね。読者に分かり易く「萌え」を提示しておきたかった私は、このような判断の元に結城のキャラ付けを決定したにすぎません。
ちなみに私の好みは、上手く説明できませんが、元気でしっかり者でヘタレ野郎を引っ張ってくれそうなタイプですかね。でもアネゴ肌は逆にダメです。それプラス友達みたいにそばにいると楽しい奴、ですかな?
あとそうやって小説の執筆を促そうとしてもムダですよ、金椎響さん。エキセントリクウ作品感想の繰り返しになりますが、最近では「いくらボリュームのある小説を書けようが大したことないんじゃないのか?」と思っていますし、創作活動も悪くないですがやっぱ読み専の人間ですしね。
今はもう、「シャイスタ★(略)」の改稿意欲も薄いですし、いくら金椎響さんの頼みでも聞き届けられそうにありません。ガックリさせてしまってごめんなさい。
そして「上下完結型の作品に対しては、当初は読まない方針」についてですが、ポリシーを捻じ曲げてまで読んで下さって、本当に頭が上がりません。
また「100枚に収まりきらなかったら投稿しなかったであろう律儀な人たち」に関しても、非常に申し訳なく思います。この件につきましては、いくら謝ることになろうともおかしくはありません。金椎響さんが注意するように、このルール違反を犯した罪は心の隅にちゃんと留めておくことにします。
というかClariSじゃあないですが、「約束」について哲学的考察をした作品がルール違反をしているだなんて、何という「irony」(アイロニー。皮肉)でしょう。こうやってバカ発言の一つや二つでもしてないとやってられません。……いや、やってられないのは「本当に律儀に守って投稿しなかった人」でしょうね。すみませんでした。

>この作品にもっと早く出会っていれば、わたしのこの企画に対するスタンスが変わっていたかもしれません。
>そう思わせてしまうくらい、凄い作品でした。

……たられば、を言い出したらキリがありませんが、それでも嬉しい「たられば」ですね。お褒めの言葉に与かり、真に光栄です。
そうそう、凄い作品といえば「虐殺器官」の件なんですけど、何とか読了しました。いやあ、地道にコツコツと読み進めれば何とかなるものですね。
「哲彼企画」風に点数付けをするならば、四十点でした。このSFアクション、かなーり哲学的な小説で歯応えありました。
しかし、逆に五十点は付けられませんね。この十点の間には深い溝が横たわってます。繰り返しになりますが、金椎響さんと真柴竹門君がどれほど方向性が違うのかが改めて確認できた気分です(笑)。
でも、正確には「二人は全然違うベクトルだけど、共通点も見受けられる」と訂正したほうが良いですね。
「虐殺器官」の大森望の解説の中で、ミステリ云々と書いてあるじゃないですか。……実はですね、私の敬愛する城平京先生って、最初からミステリ野郎だったんじゃなくて昔は若者向けのSFやファンタジーを愛読してたそうです。
というわけで、やっぱりマンガ「スパイラル〜推理の絆〜」をオススメします。それからですね……

>実は、金椎響は人生哲学についてはかなりシビアに考えています。
>それこそ、ホッファー並に勉強していないと認めない、みたいな原理主義的なものがあります。

>支え、ですか。うーん、難しいですね。あえて挙げるとするならば、ホッファーになるんでしょうか。
>彼の著作に、というよりは、彼の生き方、それこそ彼の歩んだ数奇な人生が羨ましいのかもしれませんけれど。

……ホッファーという人は全然知りませんでした。「シャッターボタンを〜」で初めて触れたようなもんです。ウィキで知った程度ですけど、かなり凄い人生を送った人だな、と(笑)。
私は金椎響さんと違って人生哲学については、とてもユルユルに考えてます。いや、情けないです。でもそうですねー。創作キャラなんですけど「スパイラル」の鳴海歩が私の人生哲学にかなりの影響を与えられたかなあって思ったりしてます。
それに、これまた影響を受けやすいティーンエイジャーだった頃、和月伸宏の「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」が凄くハマりました。主人公の緋村剣心の人生には凄い考えさせられましたね。
つーか、哲学の世界で理想論ってのは危険ですが、それに陥らないのも緋村剣心のおかげのような気もします。いやあ、和月ファンにも時代劇ファンにもならなかったんですが、当時はかなりの「るろ剣」ファンになりましたね。
この二つのマンガはメチャクチャ良かったです。機会があったら読んでみては如何でしょうか? ……っていうか聖書が二つって、おかしすぎます。私って、もしかして聖書を持ってない人間なのでしょうか?(笑)。しかもどっちもマンガですし。

それでは最後に、私のほうも金椎響さんと交流できて本当に良かったです。思えば「シャッターボタンを全押しにして」に王冠が授与されたのも、私の感想投稿によるものなんですよね。つまり私が金椎響さんをエトワール(バレエのスターを表す)にした訳ですか。ああ、意味不明なら「スパイラル外伝2」です。
また出会えるかどうかはとても怪しいもんですが、そんな日が来たら、さぞ素敵な一日となりそうですね。
そんな日を淡く夢見ながらお別れしたいと思います。金椎響さん、本当にどうもありがとうございました! では、さようなら!!


pass
2011年02月15日(火)22時50分 真柴竹門  作者レス
牛髑髏タウン、どうも。真柴竹門です。
まず、非常に長い本作を読んで頂き、本当にありがとうございました。
感謝と同時に、お疲れ様でしたと労いの言葉を贈ります。
そしてすみませんが、ここで叫ばせて下さい。
文字媒体だから近所迷惑にもなりませんし。構いませんよね?

……イーッヤッホーーー!! 楽しんでもらえたーーー!!!
ヒロインが可愛い! ストーリーがしっかりしてる! ちょっとしたエピソードが笑えた!
そーんでもって『最後まで気持ちよく読めました』と来たもんだ、うれしー!
いやもうホントありがとうございますよ、牛髑髏タウンさん。あ、この「よ」はワザとです。意味はありません。
あー、私としてはそういうシンプルな言葉が、ちょっと身に染み渡るのですよ。
というのもですね。自業自得な分割投稿したから当然なのですが、この「哲彼企画」で本作はずっと疎外されてた気分でした。
これまた読者側に自由権があるので当然と言えば当然ですが、読むのを途中でやめてしまったり、辛口評価の感想が多いんです。
しかも拍手マークは、そういった感想に溜まっていくのですけど、つまり多くの人がその感想と同意見なのだということです。
だから『この作品は作らなきゃ良かったのかな?』と悩んだりもしました。
ここで暴露しますが、事前情報で金椎響さんが「本作の問題編を読了した」と知った時、いっそのことこんな駄作の解答編を読まれるよりも先に削除してしまおうかと考えたりもしました。
でも牛髑髏タウンのお言葉で『書かないほうが良かったかな?』から『書いて良かった!』と思えるようになりました。
「先輩と、真実の口」では、適正評価よりも辛口してしまったかもしれないのに、お褒めの言葉をくださり真にありがとうございます。

>ただ、全体として、冗長な部分が結構あるかなとは思いました。

うーん、それは予想外の答えでした。でも、そうですね。例えば「ブシドー」なんかは、主人公が強引に迫ればヒロインはすぐに「ダフニスとクロエ」を話してくれそうです。
丁寧に説明しすぎるのも問題、ですか。読者の推理力を期待するのも一つの手なのかもしれません。この作品を70枚、とても険しい道のりに思えて仕方ありません(笑)。
でもほら、あとがきに書いたように「おもちゃ箱をひっくり返したような哲学ミステリー」ですしね。
ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家だって、チョコレートだけ、とかせんべいだけ、とか寂しいじゃないですか(笑)。だからデコレーションしまくったのは勘弁してチョンマゲ!

>読者への挑戦状というのも、ここで何に頭をひねればいいのかがよくわかりませんでした。

……読者が分からなければ意味がないですよねえ、すみませんでした。これは単純に「約束って何だろう? 読者の皆さんも、一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょう?」という意味です。
こう「本食い虫にならないよう、たまには自分の頭で思考を進めようよ」って促すためであったりします。余計なお世話ですね(笑)。
あとミステリー野郎なんで、たまーにこういうのにロマンを感じたりするのでやってみたってのもあります。
というか、折角のミステリーなのですし、ね(笑)。

>「誰もが納得できる哲学体系」って、そんな話してたっけ? と思ってしまいました。

……話してません(笑)。簡単に言えば「政教分離」のように哲学と宗教はキッチリ分かれといたほうがいいってことですかね。
別に哲学史に詳しいわけじゃないんですけど、私見では「宗教・真理・絶対」といったのが哲学に関わってくるとロクなことがないんです。それを結城と神楽の関係性で仄めかしたりしてます。ちゃんと明確に書けよってツッコまれそうですが(笑)。
んで、この哲彼企画の皆さんはどうやら懸命な方が多くて安心しているんですけど、ほら、ミステリーの解決編って「他の可能性一切なしの完璧な答え、真実」ってイメージがあるじゃないですか(私だけ?)。
今回はそのイメージを避けるために、あのような【読者への挑戦状】の説明になった訳です。
哲学では、「真理」という唯一絶対の答えがどこかに存在する、みたいな用語はあまり使わず、「普遍」という考えたり話し合ったりする中で多くの人に当てはまるような共通項、みたいな用語をよく使うのです。また、あくまで「多くの人」であって「全ての人」でもありません。

>萌えとロックが似ているとか、ラストのお爺さんとお婆さんの課題の話題とか、
>もっと聞いてみたいような刺激的な話題がちりばめられていてとても魅力的でした。

……無理です! 牛髑髏タウンさんをガックリさせてしまうのは心苦しいのですけど、両方ともかなりアクロバティックな思考で導いたにすぎないし、また詳細な考察を加えたことがありません。
ですから、この二つのネタに関しては作中で語ったことが全てであり、打ち止めです。
あーでも、萌えの第一人者とロックのトップアーティストがリアルで対談して本になったりしたら、どんなに面白い対談本になるか想像もつきませんね(笑)。誰かやってくれねーかなー?

>とまあ、あんまり褒めてない感じになってしまって言うのもなんなんですが、とても良かったです。

いえいえ、その「とても良かったです」は四十点評価の「とても面白かったです」と受け止め、喜びに変えておりますので。
ともあれ、牛髑髏タウンさん。本当に、ありがとうございました!


pass
2011年02月14日(月)21時20分 真柴竹門  作者レス
romaさんの「2011年2月13日追記」の感想に対する作者レス



すいません、romaさん。わざわざ二十点評価から三十点評価に変更してくれてありがとうございます。
ならばこちらとしては、資料追求しようとするromaさんが誤った道に行ったりしたりしないよう、予め不穏な芽を摘むことにしときます。まずは……

>また、本作の形式が「殺人ロボの恐怖」「毒杯パズル」のオマージュであることを理解しました。

……えっと、私が本作で城平京先生のオマージュをしたのは二回だけです。
一つは「名探偵に薔薇を」のアリバイ工作云々です。この本は「メルヘン小人地獄」「毒杯パズル」の二部構成になってて、アリバイ工作云々は「毒杯パズル」のほうにあるから、これについては間違っていません。
そしてもう一つのオマージュが「小説 スパイラル〜推理の絆〜2 鋼鉄番長の密室」(外伝2)のエピグラフを、「シャイスタ★(略)」の「作者からのメッセージ」に使ったことです。そして、これだけです。
外伝2には「鋼鉄番長の密室」と「殺人ロボの恐怖」で構成されていまして、確かに「殺人ロボの恐怖」は面白かったですが本作のオマージュをした覚えはないのです。……いや、待てよ?
もしかして「シャイスタ★(略)」のサブキャラの八神のビジュアル面は「殺人ロボの恐怖」に出てくる小日向くるみ、を参照したとお考えですか? それならまあ、それほど間違っちゃいません。確かに、八神のビジュアル面は小日向くるみから来ていますからね。
でも一応念のため、小日向くるみは「外伝シリーズ全四巻」のうち全てに出ますから「殺人ロボの恐怖」と限定されるのはちょっと他の人に誤解されかねません。
……また『本作の形式』という記載から「殺人ロボの恐怖」の「問題編」「解決編」のことかもしれませんが、こういう区分は多分、それほど珍しいものでもないと思います。問題編と解決編の区分はミステリーの世界ではよくあると思いますので、わざわざ明言してないってことが多いんじゃないかと(自信なし)。

>『共感』と『約束』、『欲望』と『約束』は竹田青嗣(第四章の欲望)を当たればよろしいでしょうか。

……次にですが、本作の中で「共感と良心の区別」「萌え論」「約束論の果物課題の思考実験」の計三つは、私が作ったものです。私のオリジナルです。
ですから「はじめての現象学」は「例えば深山君がお米を食べてるとするよね。(中略)前提条件を提出するという側面もあるわ」の所しか参考にならないと思います。
ああいや、待てよ。「共感と良心の区別」は、何か本で読んだ気がします。いや、読んでない? あれ? えーと?
次に行きます(笑)。

>飼い猫は未来の事は語れませんが、現在のことは語れます。約束の履行を「言語」で求めてきますよ。
>「言語の始原」はまだ遡れると私は認識しているので、ここは齟齬ですね。

……作中で「動物学」という用語を使ったくせにですが、私は人間にかなりのスポットライトを当てて約束やら言語やらを考察したのです(オイオイ)。
けどromaさんはどうやら、何千年何万年何億年も前の生物が如何にして言語を獲得したのか、といった所にスポットライトを当ててるような気がするのです(私の勘違い?)。つまり……

>romaさんは果物課題の思考実験を「(人間の)言語の再開発」と捉えていますが、そうじゃなくて、あれは「(人間の)言語の始原」なのですよ。

……あれは、こういう発言のつもりだったのです。平たく言えば、romaさんの言うとおり「齟齬」ですね(笑)。
となると、私とromaさんの「言葉」「言語」や「約束」といった単語の使い方が根深く食い違っている可能性があります。
そうなってくると、私とromaさんが話し合うためには、まず丁寧に用語の使い方の確認作業&すり合わせが求められるでしょう。
しかし二月十五日というタイムリミットが近付いてるので、今更感もありますが「俺とアンタとは違う!」の一言でぶった切ったほうが逆に穏便な形で済む気がします(笑)。
あと、この小説は「始めのうちから緻密な計算の元で組み立てられた作品」なんかじゃなくて、かなりのパッチワーク作業で作った作品なのですよ。そりゃ序章→第一章→第二章という順に書きましたがね。
だからアラを探そうと思ったら、いくらでも見つけられます。まず、質素なバターロールとアルミ缶のホットココアに丸い菓子パンならともかく、ポークパイ?
んなもん日本で売ってる店を探すのは至難の業でしょう。また肉汁のゼリーの入っているこのパイ料理はネットで「料理本でも難易度がやっぱり一番高いです」と評されてるくらいなのです。
つまり矛盾、ではないが明らかに不自然なのですよ。良かったら、飯田隆「ウィトゲンシュタイン」(第四章の哲学者向けの問い)の他にも「ウィトゲンシュタイン―天才哲学者の思い出」(ノーマンマルコム)をオススメします。
……はい、この二冊を読んだら絶対にromaさんは勘違いするでしょう。ですから、この二冊を「読んだあとに」私の愛読書である「バイバイ、エンジェル」(笠井潔)でも読んでみて下さい。
嘘だと思われますが、例の部屋のモチーフ、実はこっちのほうだったりするのです。ほら、私ってば忘れっぽい人間ですから(笑)。
それから魔法のステッキ、あまり意味を成してません。主人公の脳内整理するシーンなんか、地面を使えば丁度良いメモ機能を果たせるというのに、です。
また、前日に主人公は「明日は雨が降りそうだなあ」とか想像してんのに、次の日に傘を持ってきてなかったのも変ですし、そして「アリバイ工作のように造られた公園」も、オマージュするシーンを間違えております。
「名探偵に薔薇を」で二人が到着した公園は、人っ子一人いない、狭くて寂れた粗末な公園なのです。初読時には分かりませんでしたが、恐らくこの公園は政治的な理由で作られたのかもしれません。
ほら、例えば昨年度は国から100億円支給され、それから一年を90億円でやりくりしたのだけど「去年は90億円で済んだんだろ? じゃあ今年度は90億円に引き下げて支給する」とされちゃあ困るから、余った10億円を所謂「無駄金」に使うことって政治のニュースでよくあるじゃないですか?
この小さな公園は、こういった理由から出来たのでしょう。だから「アリバイ工作」云々なのです。なのに「シャイスタ★(略)」の公園はとっても広いです。
まあ理由をたった今デッチ上げようと思ったらデッチ上げられますけどね。
主人公達の住むあの町では昔、ゼネコン汚職によって建てられた無駄にデカいマンションがあるのですよ(政治と建設会社が裏取引していて、建設会社は湯水のように金を使える。こち亀105巻「怒鳴り屋両さんの巻」より)。
んでも、一応の建設目的がなくてはいけません。そこでマンションの建設予定地だった土地のすぐそばに森があってですね、建設会社の人は「あの森を、緑豊かな公園にする! そうすれば子どもからお年寄りまで楽しく快適な公園があるからマンション入居者がウハウハ!」という建前を主張して、あの無駄にデカい公園が出来たわけです。
……はい、そんなことは本編に書いてませんよね。だからやっぱり「アリバイ工作」云々はおかしくなるのですよ。
あとそれから「言語の始原」と言うよりも「言語の初構築」と言ったほうがいいのですかねえ? それに効力のない契約書、契約の履行についてですか。考えたこともありませんでした。確かに鳥や犬なら命令体系を忠実に守ってくれますけど、人間だとそうは行きません。それも問題編のうちにある程度は書いておくべきだったかもしれません。
そんで結城と八神のビジュアルが分かったのなら他のキャラのビジュアルも知りたくなるかもしれませんので、書いときましょう。
深山→「CLANNAD〜クラナド〜」の岡崎朋也、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の高坂京介(イメージがシーンごとに交代したり混ざったりして完全に不安定)
結城のボディ→「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の田村麻奈実(通称は地味子 ……あれ? そんなにナイスバディじゃない?)
草薙→アニメ版「ヨスガノソラ」中里亮平   神楽→「まほらば」茶ノ畑珠実(三つ編みを二つ付けてるけど気にしない)
……どうですか? 満足してくれましたかね?
つーか勘弁して下さい、romaさん。あなたの言葉は短いながらもポイントを的確に突いてくるんです。長文野郎な私(のようである。自覚なし)には羨ましい能力です。
こんなことを言われても反応に困るでしょうが、romaさんはモーフィアスさんを超えてますよ。ええ。どうかこの私めに白旗を挙げさせてもらませんかね?
それにカモミールティーって何ですか? 鴨を食事にしたお茶? 意味がわかりません。私の辞書はどうもおかしいようです。
すみませんが簡単ながらも、ここで失礼させてもらいます。私の作品にここまで付き合ってくれて本当にありがとうございます。
それでは改めて、どうもお疲れ様でした。


pass
2011年02月14日(月)01時53分 金椎響 8tiPoznsKE +30点
 どうも、こんにちは。金椎響です、どうぞよろしくお願いします。
 感想を記す記すと言っておきながら、書き込みが終盤になってしまいました。ごめんなさい。遅ればせながら、以下感想を綴っていきたいと思います。

 最初に。この作品の短所は、哲学的な要素にあると思います。端的に申し上げると、しっかりと哲学したばっかりに、他の要素が疎かになってしまっていると感じました。
 哲学について妥協しない、という姿勢はこの企画のなかでは評価されるべき良いところなのですが、その説明が親切な分長い。問題編でもありましたし、解決編でそれは顕著です。
 結果として「小説」としての完成度や質の高さを求める読者からの評価は、必然的に厳しくなってしまっていると思います。なによりも、文字数を哲学に割くことで、他の場面が相対的に薄まってしまっているように思います。

 次に、この小説を「哲学ミステリー」として見ると、厳しいです。
 そもそも、ミステリーというジャンルにおいて謎が魅力的でない、というのは頂けないです。読者に「よし、解いてみよう」「なにこれ、気になる」という方向に持って行けないのは……。読者に対して挑戦状を叩きつける以上は、作者も読者の期待に応えなくちゃいけないような気がします。その辺りはnさんがご指摘しているので、そちらを参考にして頂ければ幸いです。

 あと、ヒロインの結城ちゃんに対して萌えを抱けなかったです。ただ、これはわたしの個人的な好みの問題ですので、気にしないで下さい。

 次に、長所について触れたいと思います。
 この企画のなかではかなり本気で哲学をしている点、そしてその成否はともかく、哲学ミステリーというジャンルに挑戦した点です。
 哲学については、感想を拝読しておりましたからわかっていましたけれど、かなり造詣が深いです。正直に申し上げますと、わたしのような畑違いとはそもそも格が違います。
 ミラーニューロンの類はわたしも知ってましたが、これを一体どう料理すれば小説に使えるのか、と悩んでいました。思わずなるほど、と唸ってしまいました。
 この企画において、この作品以上に哲学面を徹底的に追求した作品は、恐らくないんじゃないでしょうか。そう評してしまいたくなるくらい、この作品は哲学的だと思います。
 また、哲学ミステリーという発想、この企画において恐らく誰も挑戦しなかったジャンルを開拓したという点は素晴らしいと思います。
 これでわたし好みの作品だったらどんな点数がついたか、と思うと……。恐らく、客観的には評価できなかったんじゃないかなって思います。
 なので、この作品は「無意味」などと評される類のものではないと個人的には思います。少なくとも、わたしにはその意味をしっかり見出せる良い作品でした。

 さて。以下はわたしの個人的な感想です。もっとも、上記もあまり客観的なものとは言えないかもしれませんけれど。

 冒頭部で社会契約説について解説する必要があると作者が感じるならば、そこの文章は推敲の余地があると思います。リズムが悪いというか……音読しようとすると、ところどころ詰まる感じですので、もっと自然な形にブラッシュアップした方が良いかと思います。
 唐突な感が否めないですし、なにより良い感じに読者の出鼻を挫いているような気がしますので、もう少し後で紹介しても良いかもしれません。

 あと、これがミステリーなら、最後の最後でどんでん返しがあっても良かったかもしれません。解決編で一応それっぽい答えを見つけて一件落着……じゃなかった、実はこうでした、みたいな。

 萌えについては、むしろわたしに読まれたこの作品が不幸なのであって、この企画に参加している多くの方々は、むしろ結城ちゃんみたいな女の子を求めているのではないか、と思います。
 あと、小説を書くのに女心を知る、なんてことはしなくても良いことだとわたしは思います。むしろ、自分の理想としている女の子像に向かって驀進するくらいが良いと思います。そういう風にして築き上げられたキャラクターは、自分と同じような感性の人に受け入れて貰えると思いますから。

 この企画に対して真摯な姿勢で参加している方もいらっしゃいますので、評価点については厳しめです。
 上下作ということなので、感想・点数はこの解決編にのみ記します。30点の内訳は、この作品の哲学的要素を評価したものです。ただ、作品自体は「面白かったです」というよりは、「興味深かったです」という感じで、そういう意味では20点の「良かったです」に近い印象でした。30点にするか20点にするかで迷いましたが、二つの投稿作品の合計で20点だと厳し過ぎるような気もしたので。
 一応、わたしはこの企画でぼちぼち作品に感想と評価を記してきましたが、哲学点だけで30点という得点は、多分この作品だけです。あと、もしわたしが減点方式だったら、もう少し点数が高かったと思います。

 ただ、上下完結型の作品に対しては、当初は読まない方針でした。たとえ読んで感想を記しても、点数は「評価点なし」にする予定でした。主催者側が黙認したとしても、律義に規則を守っていた投稿者様が馬鹿を見ることになります。現に、100枚に収まりきらなかったら投稿しなかった、という作者様が(わたし以外にも)います。真柴竹門さんを責めたところで仕方のない話ですけれど、その点については心の隅に留めておいて下さい。この企画は事前に定められた「ルール」に則って行われている訳ですから。

 しかし、わたしの作品を全て読んで頂いていた恩義は感じておりましたし、なによりも他の読者様が数多ある投稿作品のなかで読むきっかけに、そして評価する際の指標に、また企画者様が大賞の選考の際に一種の指標となればと思い、今回点数をつけさせて頂きました。

 個人的には、これっきり……とか言わないで、この評価を糧にして頂いて、またどこかでお会いできたら嬉しいです。エキセントリクウさんも仰っている通り、はじめての作品でこれだけの量が書ける、というのは誰でもできることではありません。
 また、多くの作品に通じている点、他人の作品を冷静に分析し、改善点までしっかり筋道を立てて助言できる技量は、自身の創作活動でも活かせると思います。

 最後に、ちょっと厳しく、自分の事を棚に上げて書いてしまった点が多々ありましたが、素晴らしい作品だったと思います。
 この作品にもっと早く出会っていれば、わたしのこの企画に対するスタンスが変わっていたかもしれません。そう思わせてしまうくらい、凄い作品でした。また、この企画を通じて、真柴竹門さんと交流できてとても楽しかったです。なので、またどこかで会える日が来ることをを楽しみにしております。
135

pass
2011年02月13日(日)16時52分 牛髑髏タウン DN9w0wBvqc +40点
 こんにちは、読ませてもらいました。

 私としては、かなり良かったです。
 ヒロインが可愛いです。無口なヒロインが多い中で、よく喋るところがいいですね。

 ストーリー的にもしっかりしていると思うし、ちょっとしたエピソードにも笑わせてくれるものがあって、最後まで気持ちよく読めました。

 ただ、全体として、冗長な部分が結構あるかなとは思いました。感覚的には、中身そのままで今の半分くらいの分量にできるんじゃないかなと思います。たとえば筆箱を落とすシーンとか、主人公の気配りがナイスなのは解説なしでも伝わります。

 読者への挑戦状というのも、ここで何に頭をひねればいいのかがよくわかりませんでした。「誰もが納得できる哲学体系」って、そんな話してたっけ? と思ってしまいました。後編へのヒキという意味では挑戦状という形でないほうがいい気がします。

 とまあ、あんまり褒めてない感じになってしまって言うのもなんなんですが、とても良かったです。萌えとロックが似ているとか、ラストのお爺さんとお婆さんの課題の話題とか、もっと聞いてみたいような刺激的な話題がちりばめられていてとても魅力的でした。

 どうもありがとうございました。

122

pass
2011年02月12日(土)22時55分 真柴竹門  作者レス
romaさん、はじめまして。真柴竹門です。romaさんは「死の季節」での金椎響さんとの応答を見てて存じてました。お世話になったって、やっぱ「死の季節」の劇場云々ですか?
私のほうもromaさんに言いたかったことがあって丁度良かったです。金椎響さんの作品で度々ニーチェやら永劫回帰やらを持ち出したからか、『死の季節』で……

>で、真柴さんはニーチェが勇気の元と言い、

……と書かれているように、私はニーチェ好きだと受け止められたようですね。ですが違います。というか「超人思想哲呼ちゃん!」(某よしぞー)でニーチェの言葉が引用されてて、初めてニーチェに触れたのですけど詩文が苦手な私はかなり引きました。
あえて哲学面での勇気の元になってるのを挙げるとすれば、やはり竹田青嗣先生ですね。この人は分析哲学に疎いみたいですけど(私も疎い〔笑〕)、思想面ではとても強くてこの人の本には非常に励まされるんですよ。それこそ「シャイスタ★(略)」のパラグラフに使ったくらい好きです。
さて、そろそろ本題に入りましょうか。

>始めに言い訳をします。(中略)敢えて書いてしまいましょう。

……えええ! 飲茶さんは「一行感想でもいいから、とにかく質より量」って書いてたのに、そのような理由で皆さんは感想を送られなかったのですか? そんな〜!(泣)……あ〜、次に。

>1.前提条件までさかのぼること
>2.優れた概念/キーワードによって説明すること

……と書かれていますが、どうも「1.をやってから2.をする」という誤解をしてそうですね。でもそうじゃなくて、つまり……

・前提条件までさかのぼること
・優れた概念/キーワードによって説明すること

……というように、別にどちらか片方を満たすだけでもゲームクリアとなり、十分なのです。
そこら辺を明確に書かなかった私に責任がありますね。すみませんでした。


>作者独自の前提が読者と共有されていません。
>「言語」「言葉」がキーワードとして存在しながら定義が曖昧であるために、
>最終的に『約束』が理解できません。

……一応説明したつもりでしたが、読者にそう言われてはグウの音も出ません。
私の中では「モノ的」と「行為的」という区別を敷いているんですよ。
草野球で例えれば、ボール・ミット・バットという野球道具が「モノ的」です。
「行為的」というのは、ボールを投げるとか、何かをミットでキャッチするとか、スイングするとかですね。
この「行為的」というのは非常に分かりにくくて、予め別の言葉で言い換えると「動的」っつーか「事的」(ことてき)っつーか、そんな感じです。
そして、この区別を問題編のうちに比喩表現で提出しておきました。
それが「契約書」(モノ的)と「契約」(行為的)なのです。

>出来上がったルールはそれ自体で存在するようになる。
>契約したあとで発効される契約書、みたいにね。
>そして人は契約書に協力することで秩序が保たれる。

>契約書は大事だわ。
>でももっと大事なのは、契約することそのものじゃないかな。

……ちなみに解決編でも、この区分を思い出してもらうために「ほら、初めてお昼ご飯を食べた日に、わたしは「契約することと、契約書」を区別してたでしょ」と書いておいたりしてます。
次に「約束事」という単語を説明します。問題編で一度だけしか使われてませんがね。

>「言語?」
>「例えばね、日本語では犬のことを漢字で書くと「大」という字に点をつけたような文字を書かなきゃいけないよね。
>でも英語ではディーとオーとジーを並べて「dog」と書かなきゃいけない。
>つまり、約束事なんだよね。

それからromaさん、辞書を持ってますか? 私の辞書で「約束事」を引くと……
1.約束した物事。2.かねてから定まっている運命。宿命。因縁。
……この一番の定義から「約束事」というのは「モノ的」だと思えませんか? また「約束」を辞書で引くと……
1.くくりたばねること。2.ある物事について将来にわたって取りきめること。契約。約定。
3.種々のとりきめ。規定。4.約束事の二番に同じ。
……四番の定義が「モノ的」という危うさを孕んでますが、それでも「約束」は「行為的」という意味合いが強いです。
そして「言語」「言葉」は量が多くて省略しますけど、記号体系・言語体系と書かれていて「約束事」とよく似た「モノ的」なのです。
えっと今までの説明をまとめると「犬」「dog」のあたりで「モノ的→約束事、契約書、言語、言葉」「行為的→約束、契約」という区別が、読者側に形成されるものだと期待してました。
でも、そうですよね。このワンシーンの中で、一方では言語と言葉を曖昧にイコールで繋いでたのに、もう一方では約束と約束事を明確に分けていたってのは、とてもおかしいですね。私のミスでした。
それでは、問題編の重要な箇所を説明します。

>でも言語ってどのようにして生まれてきたのか、よくわかってないの。
>人が約束を交わす時に必要なのが言葉よね。
>だけどその言葉が生まれたのは「そう約束したから、協力したから」と言ったんじゃあ循環論法になっちゃう」

つまりヒロインはこの時、ボールを投げるためにはボールが必要不可欠だと思っていたのです。モノ的なのを重視した立場なのでした。
だけど、ボール(&ミット&バット)が生まれたのは「ボールを投げたから(&何かをキャッチしたから&スイングしたから)」では循環してしまいます。というか明らかにおかしいです。
ここでヒロインは躓いてた訳なんですよね。しかし、解決編の頃には『なーんだ。野球道具が無くっても、野球道具は作れるわ』ってことに気付いたのですよ。
だから「逆転の発想だ」っていうのも……

>言語も貝殻と一緒よ。というか言語なんてサインの発展形にすぎないわ。まず伝えようとする気持ちが先にありきなの

……というふうにモノ的なのを重視した立場から、行為的なのを重視した立場へ変更したことを表してます。この立場変更が出来たのも、星屑の欠片(この名付け方に深い意味なし)のおかげなんですよね。

>果物課題に言語の再開発は必須では(中略)説明することにこそ用いてはどうでしょう。

……romaさんは果物課題の思考実験を「言語の再開発」と捉えていますが、そうじゃなくて、あれは「言語の始原」なのですよ。
んで主人公に「星屑の欠片」の正体を教えるために、おじいさんが三つの壁を乗り越えた行為に見られる共通点を炙り出したって訳です。かなり冗長気味ですが(笑)。
romaさんの「電話があるから遠くにいる人と話ができるのか、遠くにいる人と話をしたいから電話を発明したのか」の例えですけど、正直言って半分も理解できてません。
ですが、漠然とした理解のままでも答えていいというのなら、星屑の欠片からして私が言いたかったことは後者のような気がします。っていうか、電話って何の例えですか?
ちなみに岡ノ谷一夫「言葉はなぜ生まれたのか」は知りませんでした。今度、機会があったら読んでみます。

>反証。朝7時に飼い猫にえさを与えるとします(中略)が、どうでしょう。

確かに、この飼い猫のような「前反省知」(反応・反射)でも言語というモノ的なのは形成されそうです。それは認めます。
しかし、この猫は「YESかNO」を主張する余地がありますか? 猫が人間に向かって「わかった。朝7時にえさをくれ」とか返事をしますか?
また「いやだ。別の時間がいい」とか否定したりしますか? そんな行為、しませんよね。ですから猫えさ問題は「約束じゃない」と否定します。
romaさんは「キーワードの繋ぎ方に説得力がありません」と否定していましたよね。それに関してこちらの描写力不足です。
そうですねえ、例えば『共感』抜きで『約束』は出来るのだろうか、とか『欲望』無しで『約束』が可能か、とか想像してみてはいかがでしょう?


ああ、それから「アリバイ工作」云々ですが、これは敬愛する城平京先生の「名探偵に薔薇を」で凄くイカしたワンシーンから抜いただけでして、執筆当時は本当に正常じゃなかったのです。

 二人は黙したまま、流れる景色の中にあった。
 小一時間も走った頃、車は止まった。
「ここはどこだ」
「この都会に、アリバイ工作のように造られた公園の前だ」

……とはいえ「飢えた天使」「絶園のテンペスト」とかをまだ読んでねえ酷いファンですが(笑)。
にしても『やっちまった!』ってミスが多いですね、私。

>だって世の中にはナイフを突きつけてムリヤリ契約を結ばされることだってあるでしょ?(かなり曖昧な表現だなあ)
>『約束』というのは人と人との間に生まれるものよ。それを忘れちゃいけないわ(もの?! ここは「もの」って書くべきじゃねえ!)

……romaさん、ご指摘ありがとうございます。
あなたが感想を投稿してくれたことにより、ミスってた箇所に気付けました。しかも二十点も! いやもう感謝感激です。
んでもってこうして改めて見直してみると、あることに気付きました。
それはとんでもなく重要な過ちであり、かといって言うほど大したことのない傷であります。
「ななついろ★ドロップス」のヒロイン・秋姫すもも、コイツが本作のヒロインのビジュアル面でのモチーフなんです。ってか作者の脳内ではそっくりそのまま(汗)。
タイトルを「シャイスタ☆(略)」から持ってきたもう一つの理由がコレだったりします。
だってOPムービーでヒロインが動いてますもん。
こう『結城が走ってるー!』みたいな(笑)。
なのに、なのにです……!

リボン書いてねえ!!

そうなんです! 結城萌は額の上の髪に細いリボンで蝶結びしているのですよ!
だというのに、今までずーーーっと書き忘れてました。いやもう、愚かにも程があります。
……今日の所はもう寝ましょう。ええ、ふて寝ですよ。
それではどうもお疲れ様でした。グスン。


pass
2011年02月10日(木)22時50分 roma N0mWgMiihI +30点
真柴竹門さん、こんにちは。酷評します、よろしくどうぞ。最初に甘いものでも用意して。

始めに言い訳をします。この作者さんを批判しようという向こう見ずはほとんどいないでしょう。よく勉強していて語彙が豊富なかたですから、言葉の津波で反駁されるのがいやなのです。それから、感想文を書こうと考えをすすめると、かなり一般的なことであったり、いつのまにか自分自身への批判になっていたりして、それを投稿する気にならないのです。しかし、私は真柴さんにお世話になったと感じていて、何かお返ししたいと思っているので、敢えて書いてしまいましょう。

本作は『約束』とは何か、哲学のルールに従って述べる物語として読むことができそうです。哲学のルールとは1.前提条件までさかのぼること。2.優れた概念/キーワードによって説明すること、らしいです(私は哲学を知りませんので本文から学びました)。『約束』に関する記述を本文から抜き出して眺めると……手段と目的の混乱が見受けられます。論理構造が崩れています。キーワードの繋ぎ方に説得力がありません。ものの軽重が不適当です。作者独自の前提が読者と共有されていません。「言語」「言葉」がキーワードとして存在しながら定義が曖昧であるために、最終的に『約束』が理解できません。

果物課題に言語の再開発は必須ではありません。おじいさんの日本語を流用すれば事足ります。もっと言えば、広義の言語(身振りやアイコンタクト)を用いれば「言葉」がなくても達成できます。この課題は「伝えるという心の機能」を説明することにこそ用いてはどうでしょう。

> 『約束』というのは人と人との間に生まれるものよ。それを忘れちゃいけないわ」

反証。朝7時に飼い猫にえさを与えるとします。この行動を数日続けたら、猫は「朝7時にえさをもらえる」と期待しますよね? これは『約束』に入るか否か。「言語」の定義に帰着する予感がしますが、どうでしょう。

>「つまり『約束』とは「伝達能力を持つ複数の生物が応答しあう中で、適宜に命令体系を構築し、
>それに協力して従う営み」のことなの」

すぐ後の『約束』の定義に従えば、猫えさ問題はりっぱな『約束』です。これだけ解釈の異なる文が近くに書かれていては読むほうは大変です。この欠点は全体に散見されます。

2011年2月11日追記
反論は4000字以内でお願いします。的外れな指摘と思われましたら説明をしてください。『約束』について自分なりの理解ができればOKというスタンスでしたらどちらも不要です。よろしくお願いします。

2011年2月13日追記
真柴さん、こんにちは。貴重なお時間を割いての丁寧なご教示に感謝申し上げます。挙げられました資料につきまして可能な限り確認するよう努力いたします。まず竹田青嗣(第四章の哲学ルール)これでしょうか。辞書は編者と版でだいぶ違います。情報を共有するなら提示がないと無理です。いえ、きちんと転記されているのでこだわる箇所ではありませんが。実効力のない契約書なんか世の中に山ほどあって、脱力・疲労しましたよ……。契約の履行に言及がなかったので、話が寸断されたように感じました。そう、ナイフは曖昧です。後に説明がないし。電話の例えは良くありませんでした。忘れてください。飼い猫は未来の事は語れませんが、現在のことは語れます。約束の履行を「言語」で求めてきますよ。「言語」から「言葉」へは飛翔があるように思っています。だから私は『約束』にも幅を感じるんですよね。「言語の始原」はまだ遡れると私は認識しているので、ここは齟齬ですね。『共感』と『約束』、『欲望』と『約束』は竹田青嗣(第四章の欲望)を当たればよろしいでしょうか。また、本作の形式が「殺人ロボの恐怖」「毒杯パズル」のオマージュであることを理解しました。リボンは付け足しておきます。お疲れ様でした。カモミールティーでもどうぞ。では、重ねてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。

2011年2月23日追記
こんばんは。約束論の再構築は始めていますか。普通はひと月以上頭を抱えると思うので、多分進捗無しと推察しますが。そこで「創造的論文の書き方」伊丹敬之著を推しておきます。論文に限らず他人が読むための文章を作成するときに役立ちます。それどころか「論文の書き方とはつまるところものの考え?」ですから汎用性が高いです。だから、この本を読むとミステリーが楽しめなくなるかも……常に全体像と現在位置を考える習慣がついてしまうので。「科学哲学の冒険」は読書中です。実用的ですね、とても。入門書として入りやすいです。ありがとうございました。

2011年2月28日追記
「共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること」フランス・ドゥ・ヴァール 読了。――共感ヤバイ(笑)。
「ことばとイメージ-記号学への旅立ち-」川本茂雄 岩波新書 読了。
なるほど、そういう捉え方を私はしてませんでした。いくつかの疑問が解決し……むやみに攻撃的で済みませんでした。キャリブレーションのために同系統をあと2-3冊読むつもり。果たして本編に帰って来られるか?

117

pass
2011年01月21日(金)03時16分 真柴竹門  作者レス
nさん、はじめまして。真柴竹門です。
二十点も頂けるだなんて嬉しくてたまりません。こんな味気ない小説を最後まで読んで本当にありがとうございます! (自分の作品なのに味気ないって、作者が一番酷い〔泣〕)。
感想や本作が長いのは、ただ文章をまとめる力が欠けているにすぎないからです。今日はコンパクトに書くぞ、コンパクトに!

冒頭にエロスを感じたのはヒロインの肉体描写によるものなのでしょうね。でも当時の私としては付け足し程度にすぎませんでした。
というかツルペタ少女にしても良かったくらいだったのです。ツルペタ少女、ツルペタ少女! でもまさかそれが功を奏するとは……

>「昼飯を二人で食べね? かわいい哲学者さん。」

まあ主人公は辛気臭いヤツにしたくなかったので。
でも作者としては、もっと落ちこぼれ不良チックなイケメン度を出したかったから、このセリフはやりすぎたと思ってました。
かといって改善案が頭に浮かばず、もっとソフトに昼食を誘うようにしたら、すぐに文字数が膨らむので苦肉の策としてド直球でいくしかなかったのです。
でもnさんから好評をもらったおかけで、ほっと一安心しました。

>悩ましげな寝顔と、あのノートが心に焼き付く。それを胸に秘め、俺は教室を後にした。空はもう薄暮れ始め、星がぽつぽつと輝き出す。

「心に焼きつく」は確かにやりすぎ。「頭にチラつく」程度で十分でしたね。私のほうの完全なミスです。

>「深山君の家って核家族でしょ?」
>名前も知らなかったほどの相手、なぜそこまで知っているか?違和感・・・

ああ〜、これは序章で主人公がヒロインの解説をする始めのほうの……

>高校一年の十二月にもなるが、話をしたのは数える程度だ。

……と書いてあったので、主人公の名前が明らかになるシーンはヒロインが寝ぼけてたから思い出せなかったにすぎないって読者が推測するかなあ、ってこちらが勝手に想定してました。
でも、そうですね。「そ、そうだったよね! ごめんなさい!」に変えたほうがいいのかなあ? よくわからないです。

>「だってかけがえのない友達」
>手までつないでおいて、そんな女心?友達と言い切ると、もう発展がない感じ。自分から手をつないでおいて友達なんて、「思わせぶりな女!」ともとれる表現です。

あと私、女心もよくわかりません。リアルで女性と手を繋いだのって親と小学校の先生ぐらいじゃないでしょうか?
だからかな? 手袋越しに手を繋いだのって、そこそこ意味深い行為かもしれませんが、メチャクチャ意味深い行為だとは思えませんでした。素肌じゃないですもん。
恥ずかしがってるけど、あれは主人公を励まそうとしたにすぎないのです。「大丈夫、大丈夫! ね?」程度の心境だったのです。
けどここでヒロインの恥じらい成分(?)を出したのは采配ミスでしょう。ヒロインが明るく、握った手をブンブンと振るほうが良かったのでしょうね。反省します。

>この二人は早いうちから両想いというのがまる分かり・・・ドキドキしません。もうすこしゆっくりと、愛を育んでいただきたいです。

作者としては当初から「両想い」にする予定でした。構想期の時に「二人が出会い、だんだんと仲良くなって、最後に愛の告白」というプロセスストーリーも考え付いたことはあります。
けど0.3秒で却下しました。というのも「哲学面でのプロット」と「愛のプロセスストーリー」をどうリンクさせればいいのか全く思いつかなかったからです。ってかほぼ不可能でしょ?(笑)。
かといって、この両方を交互に描写していったらどんだけページが膨らむか想像もつきません。
だから最初からラブラブ関係にしてイチャイチャタイムを盛りたかったんですけど、いざ書き始めてみると哲学面での描写だけで文字数が一杯一杯で、それすら果たせず。もっとバカをしたかったであります。

「裸電球」と「高級サロン」ですが、あまり深い意味ではありません。
十七世紀や十八世紀あたりに宗教改革が起き、哲学の暗黒期が過ぎ去って色んな人がカフェとかサロンで哲学を語り合ったそうです。
それをちょっと小ネタにしたくて二人がおしゃべりする場所を「まるでサロンのようだ」と表現してみたわけですが、もう一味だそうと「高級」をつけただけです。
喫茶店側も演出として、ワザと裸電球(黄色い色の光を発するやつ)にするところもあるかなあって勝手に想像しただけでした。
それに「高級サロン」じゃなく「高級サロンみたい」って書いてあるし、これで大丈夫かなと予想してたんですが、蛇足でしたね。すみません。
いつか大金払って高級サロンとやらに取材に行ってみたいと思います(笑)。

>哲学的な部分が豊富で面白いところも多いこの作品ですが、

ありがとうございます。もうそれだけで救われた気持ちです。小説面に力が入ってない作品なだけに有り難いお言葉です。

>問題編を読んだ後に「何なに?知りたい!」という気持ちになれませんでした。
>「約束とは何ぞや?」という問いが、私にとって非常に他人事でありました。感情移入できなかったのです。

ですよねー(笑)。問題導入が致命的に失敗してたことに気付いたのは一月に入ってからでした。『こんなガチンコ、いきなり突きつけられても誰もついてこれないだろ? 俺だってついてこれん!(笑)』という具合に。
もっとこう「どうだ? 不思議だろ? お前らが日常で何気なしにやってることだけど、もうこの謎を解かなきゃ二度と出来なくなりそうにならないか?!」みたいなのを書けばよかったと後悔しています。
自分がゆーっくりと「おっ! これは面白そうだ」となったからといって他の人がそうなるわけがないです。しかもいきなりですもの。
最初からそれが分かっていれば何とか……なりませんね。ページ数の都合がありますもの(笑)。それにどういった導入の仕方をすればいいのやら?

>そして解答編を読みました。「ふーん。そうだ。その通り。」と感動がありませんでした。そもそも疑問に思っていませんでした。
>問題編が詳しすぎ(ヒントが多すぎ?)たのかもしれません。
>多くの読者が、問題編のみで難なくその結論に達してしまうのではないでしょうか。

アッタマいいんですね! nさんは哲学的な才があるんじゃないでしょうか? ガチで答えますが、私がこの答えに辿りつくのに何年かかったことか……
というのも哲学ってのは問題は魅力的なんですが、その解答というのは結構あたり前なのが多いんです(わたし的にはね)。
戸田山和久の「科学哲学の冒険」でも後半あたりにある「論理実証主義」(だっけ?)の批判も蓋を開けてみれば、何を今更ってやつなんです。
でも、もっと「おおーっ!」ってなるような解決シーンの演出が必要でしょうね。
あとヒントが多すぎたって指摘ですが、これもビックリです。これでも足りないかもって思ってたくらいでしたから。もっとケムに巻けば良かったかな? 伏線の張り方も解決シーンの演出もダメですね。

>では、彼女は自分がおかしくなることで悩んでいた、それがどうなるか。
>・・・こちらは何となく解決しているけど、「眼力」は健在。

ああ〜、これもミスってしまいました! これは先天的な問題と後天的な問題がハッキリ別れてるからなんですよ。
なんていいますか。例えばいとも簡単に爆走する暴走機関車があったとして、それでも僅かな石炭しか入れなかったら普通のスピードで運行できますし、量を間違えなかったら加減して加速も可能ですよね。
けど何らかの理由によって、石炭がドバドバ投入されてしまうことが大なり小なり計二回もあったため、大問題が発生してしまったわけです。
でも石炭の大半が取れちゃったので残りの生得的な面はコントロール可能なんだから別にいいだろって思ったのですが。もっと丁寧に描写するべきですね。

>哲学理論を丁寧に積み上げ分かりやすく描いてくれている割に、
>人物の気持ちや情景などの描写が雑に描かれている感じがしました。

全くnさんの言う通りですよ。肝心の小説面がおろそかになってしまってます。
いかに哲学面がしっかりしてたとしても、小説面で失敗していたら、それはやはり全て失敗になるのでしょう。深々と反省します。

>うまい感想が書けず、申し訳ありません。

いえいえ。むしろ『ハッ! そうか!』となるような鋭い意見が多かったです。自分だけではとても気付けませんでした。
というかまた長文を書いてしまいました。nさん、ごめんなさい。いやもうほんとにこれ、何とかしたいです(泣)。

最後に、ラストまで読んで頂けただけでも感謝で一杯です。もう誰も見向きされないだろうなって覚悟してましたので。
重ね重ね、お礼申し上げます。本当にありがとうございました!


pass
2011年01月19日(水)01時50分 n  +20点
とうとう読みました。
問題編と解答編に分かれ、枚数は多く、大変難しそうで、著者の方は他作品への感想が長く、非常にやっかいそうであるこの作品を。


でも冒頭からエロい香り・・・素敵です。色気があるのね、とやる気が出ました。

「昼飯を二人で食べね? かわいい哲学者さん。」
この企画では少数派の、奥手ではないタイプ?軽い男子、いいですね!



「悩ましげな寝顔と、あのノートが心に焼き付く。」
いきなりそこまで?「心に焼きつく」とまでの表現は、まだお話に入り込めていない読者にとっては違和感がありました。「頭にチラつく」ぐらいでいいのでは?

「深山君の家って核家族でしょ?」
名前も知らなかったほどの相手、なぜそこまで知っているか?違和感・・・

「だってかけがえのない友達」
手までつないでおいて、そんな女心?友達と言い切ると、もう発展がない感じ。自分から手をつないでおいて友達なんて、「思わせぶりな女!」ともとれる表現です。

細かい点を挙げてしまいましたが、二人の距離感やお互いの思いは大切に描いてほしい。せっかく入り込んでも、恋が冷めてしまいます。
それから、この二人は早いうちから両想いというのがまる分かり・・・ドキドキしません。もうすこしゆっくりと、愛を育んでいただきたいです。



「裸電球」なのに「高級サロンのよう」
全く想像できません!高級サロンって何ですか?シャンデリアとかじゃないんですか?庶民には分かりません!


哲学的な部分が豊富で面白いところも多いこの作品ですが、問題編を読んだ後に「何なに?知りたい!」という気持ちになれませんでした。
「約束とは何ぞや?」という問いが、私にとって非常に他人事でありました。感情移入できなかったのです。

そして解答編を読みました。「ふーん。そうだ。その通り。」と感動がありませんでした。そもそも疑問に思っていませんでした。
問題編が詳しすぎ(ヒントが多すぎ?)たのかもしれません。
多くの読者が、問題編のみで難なくその結論に達してしまうのではないでしょうか。
それとも、もっと深く読み解くと「おお。なるほど!」となるんでしょうか。

そうなると、最後まで読みたくなる要素は二人の恋の行方。しかし最初から両想い。
では、彼女は自分がおかしくなることで悩んでいた、それがどうなるか。
・・・こちらは何となく解決しているけど、「眼力」は健在。
あんなに悩んでいたのに、彼への脅しに使うくらい吹っ切れちゃっているのも早計では?


疑問ばかりが浮かんでしまい、物語に入り込めなかったのが残念です。
哲学理論を丁寧に積み上げ分かりやすく描いてくれている割に、
人物の気持ちや情景などの描写が雑に描かれている感じがしました。
前半二人の距離感が抑え気味だったら、最後のハッピーエンドシーンで泣けたのに、残念でなりません。

うまい感想が書けず、申し訳ありません。
131

pass
合計 9人 240点


お名前
E-Mail  公開しない公開する
↑作者レスをする場合は、作品投稿時のメールアドレスを入力して下さい。
−− メッセージ −−
作者レス
評価する
 PASSWORD(必須)  トリップ 

<<一覧に戻る || ページ最上部へ
作品の編集・削除
PASSWORD