さらば、to The WORLD.to The end.
<<一覧に戻る | 作者コメント | 感想・批評 | ページ最下部
そんなもの、未来永劫自分には関係ないと思っていた。

灰色の空。立ち込めた雲の中に微かに見える、朧げな太陽。
風。吹き抜ける。身体を通り抜けるように感じるような。
大きなタンクが見える。
足元も灰色。コンクリート色の空、境界が分からなくなりそうになる。
陳腐な自分の人生の中、この風景だけが特別だった気がする。
落下。風。
背景が飛んでいく。
身を切るような冷たさも、今だけは心地好い。
さよならなんて、ありきたりかもしれないけど。
ありがとうなんて言う気にもならないこの世界。
さらば、もう会うこともないだろう。
私はもう、地面で砕け、地面の上を流れるだけの存在になるのさ。

暗い。ひどく暗い。
遠くから、声だけが届いた。
─何故、死んだ─
「何でだろうね、私が世界で一番不幸せな気がしたからかな?」
─自ら死を選んだ貴様は罪人となった─
へぇ、罪人、かぁ…。生きてた頃は、そんなことなかったのに。死んでから罪を背負わされる…いや、背負ってしまうなんて。
はは、笑えることじゃないか…。
声は沈黙している。
話が終わったか、返事を待っているか。まぁ、どちらでも構わない。昔と違って、私を追い立てる秒針の音は無いのだから。
ぼーっと考えた。たった二文字なのに、どうしてこうも人を悩ませるのか。自殺とは。
国によっては、自殺は大罪。どんな有名人でも見向きもされなくなるなんて話も聞く。
自ら死を選ぶ。それがどれだけ切羽詰まって、苦しい状況で生まれるか、命ある人間には分からない。
思うこと。それを、言葉に出すこと。そして、実行すること。それらの間には、かくも大きな隔たりがある。
だから何だというのか。
私が死んだことに変わりはない。
私が自殺したことに変わりはない。

今日も、人が死ぬ。明日も、人が死ぬ。それが世界の姿。
暗闇の中、意味もなく黙考するなど、生きている時には無かった。少なくとも、生きていたいと思っていた時には。
いや、それは語弊があるか。日々何も思わず生きていた頃は、生きて“いたい”なんて思わなかった。明日も明後日も明明後日も同じ日々が続くと思っていた頃には。
きっと、十余年の人生の中で、ついぞそんな事を思わなかったろう。
今なら、
今でこそ、生きて“いたかった”と思える。これは、死人にのみ与えられた特権…。
「うっ、うっ…。」
それは涙か、それとも他の何かか。最早自分には分からないのが、ひどく悔しく思えてならなかった。
白光 

2010年12月29日(水)22時40分 公開
■この作品の著作権は白光さんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
読みずらいとは思います。承知の上です。
一応、自虐的に死を選んだ少女の葛藤と苦悩、自問自答を描いたつもりなのですが、如何せん力不足で…。
萌えも、はっきり見えるものはありませんが、皆様の想像力にお任せします(と開き直ります)。
駄作を、申し訳ありませんでした。

P.S.
作中、少女は地獄と言っていましたが、地獄と受け取らなくて結構です。
どちらでも構いません。要は、死後、自殺した人間が行き着く場所である、ということです。
声に関しても同様です。


この作品の感想をお寄せください。

2011年02月05日(土)12時42分 白光  作者レス
開蔵さん、感想ありがとうございます。

失意の中で死ぬのなら、興奮するよりも逆に冷静になると思うんです。
自殺の原因については細かく言及していないので何とも言えませんが、彼女の場合は絶望していたと思っています。


また、死後の世界。
死後の世界にも、地獄がある訳ではない気がします。
どちらかと言うと、天国に行けない、という意味で、さまようという罰を受けるのではないかと。

身体についても、しっかりした肉体なのか、それとも、彼女の想像によって作り出されたものなのか…。
だって、元の身体はぐしゃぐしゃになっていますから。
罰を受けて、罪を禊ぎたい。そのためには、身体があった方がいい──そんな無意識な願望が、それを生み出したような気がします。
死んでも死に切れないというのは、的を射ていると思います。

pass
2011年02月05日(土)08時40分 開蔵  0点
死を書くときって、なんかみなさん静かなんですよね。
死はもっと興奮するようなものではないのかなぁと、いつも不思議なのです。

あと、死んだ後の世界で、泣いている。これは死後のなんらかの肉体があるってことですよね。
まさに、死んでも死にきれない。
だって、死んだ人を罰するなんてできないですものね。自殺に罪はないですよ。悪くはないはず。
ただ、やっぱり自殺はなんか美しくないなぁと、あらためて思いました。
122

pass
2010年12月31日(金)10時20分 白光  作者レス
<いもさん
コメントありがとうございます。
なるほど、確かに、男性っぽい言い回しをしたりというのがありますね。

<自殺を考えられるほどに裕福なんですよね、この国は。
こちらにもなるほど。日々生きるか死ぬかという生活をしている方々(日本にもいるでしょうが)にとっては、特に、養うべき家族がいたりする方にとっては、自殺なんて恵まれた者の贅沢なのでしょうね…。
自分はまだまだ人生経験が少ないので、そういう人の気持ちを全て理解はできませんが、それでも、自殺なんてしてどうする!?(どうするもこうするも死ぬしかありませんが)という思いはあります。

pass
2010年12月31日(金)02時48分 いも M8vT5jA.U. 0点
一人称の文体ですが、その一人称が男の人っぽくて、少女らしくないかなぁ、と感じました。
逆説的ですが、自殺を考えられるほどに裕福なんですよね、この国は。

133

pass
2010年12月30日(木)15時58分 白光  作者レス
酉野目さん、ありがとうございます。
生まれながらに罪人である、いわゆる性悪説ですね。確かに、そういう考え方も理解できますが、自分は性善説の方を支持しています。
なぜなら、世の中の人がみんないい人なんていう風に偽善ぶってたほうが楽じゃないですか。
なんて。

ご指摘、ありがとうございます、自分で「いい出来」だと自負できるくらいの(極端ですが)作品を書きたいと思います。

pass
2010年12月30日(木)15時16分 酉野目  +10点
自殺がテーマ。自殺については普段からよく考えるので、こういうものを読むのは好きです。

 自殺は自分を殺すことだからとか、理由は数あれど多くの国や宗教、個人が罪に定めています。自殺すると罪だけれども、自殺したからそのひとは罪人なのでしょうかね? 例外もあるでしょうが、自殺する人というのはもともと罪というものがあると思います。いや、全人類全ての人間には必ず罪というものがあるのではないのでしょうか。それが何によって許されるかは兎も角、生きる上で少しは考えてもいいテーマだと思います。生きている限りみんな罪人在任中。・・・いやこれが言いたかった訳ではありませんよ。

 読みにくいのは確かですが、自殺した少女の心情が読みにくいのは当たり前かも。だって今私は意識でも、無意識的にも生きる事を選択しているのですから。


 あと私が言うのはどうかと思いますが、あまり自分の作品を駄作、駄作と言うのは良くないと思います。自分を低くしなくても、高くなければ文句は言われませんから。(私には謙遜も足りないようですけれど)
128

pass
合計 3人 10点


お名前
E-Mail  公開しない公開する
↑作者レスをする場合は、作品投稿時のメールアドレスを入力して下さい。
−− メッセージ −−
作者レス
評価する
 PASSWORD(必須)  トリップ 

<<一覧に戻る || ページ最上部へ
作品の編集・削除
PASSWORD